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ニトリ、28期連続増益を支える異端経営 「当たり前」をひたすら徹底で独自施策続々

文=福井晋/フリーライター
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 また、その後「こういうスキルを磨きたいので、こういう部署へ行きたい」と自己申告すると、かなりの確率で志望がかなうので、異動先では自然とモチベーションが高まる。

 さらに「3年以内配転」の異動原則がある。店舗運営、店舗開発、物流、商品開発などさまざまな職種を2~3年間隔で経験させ、「すべての新入社員が20年後にプロフェッショナルになるための総合力を身に付けさせる」(ニトリHD)のが3年以内配転の目的だ。

「1つの業務しかできない社員、1つの分野しか知らない社員を、当社ではプロフェッショナルとは呼ばない。広く深く豊富な知識と経験を持ち、必要に応じてそれらを組み合わせて活用できる社員、どのような環境でも価値創造や新分野開拓ができる社員、それらを通じて社会に貢献できる社員を、当社ではプロフェッショナルと呼ぶ」(ニトリHDが中央職業能力開発協会に提出した自社のキャリア形成支援制度より)

無為失策は叱責、作為失策は称賛

 そこで興味深いのが、「『何事もゼロベースで考えろ』の社風」(前出関係者)だ。「この方法でうまくいっているのだから」と、問題が発生しない限り業務プロセスが見直されない事態を防ぐため、「我々は今年何をするのか、そのためにはどんなアプローチをすればよいのか」をゼロベースで起案し、実行することが求められる。

 加えて、「Change」(現状に満足せず、常により良いものを求め続ける)、「Challenge」(どんなことも前向きに考え、不可能なことや前人未到なことに挑戦してゆく)、「Competition」(常に自分を成長させることを考え、未来のよりよい自分と競う)からなる。加えて「3C主義」も守られている。要は「現場でこういうことを変えたい、変えなければいけない」との意識を常に持ち、そのために「無理かもしれないけど、まずはやってみよう」と行動し、それで社員の自律的な成長を促す人材育成策のようだ。

 したがって、「店長勤務の場合、前例踏襲で売り上げを落とせばこっぴどく叱られるが、新しい販促を試みて売り上げを落とした場合はお咎めなし。失敗の内容によっては、逆に褒められる場合もある」(前出関係者)という。

高い生産性を実現

 ニトリHDでは「がんばれ」の精神主義は認められない。常に数字に基づき議論し、改善策を立て、その実行が求められる。長時間労働やサービス残業も認められない。すべての業務を所定勤務時間内に完了することを求められる。

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