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スズキの敗北 4千億円の「損」と致命的「空白」 修会長の孤独な戦い続く

文=編集部
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 俊宏氏の社内での評判は、「まじめで温厚、お酒も飲まない。冗談も言わないくらいおとなしい。最近、少しは冗談を言うようになった」(スズキ関係者)というもので、修氏のように我を通して自己主張するタイプではない。

「修氏はもともと俊宏氏を社長にする気はなかったのではないのか。社長交代の会見で記者に俊宏氏の評価を聞かれ、『経営はヤル気と責任感があれば、誰にでもできる』と答えている。修氏は経営の実権を手放すつもりはない。基本方針は修氏が決め、業務執行は新社長を中心に集団指導制で決めてもらう考えだろう。今は、次の社長を探すための期間と割り切っているのではないのか。新たな社長候補が見つかれば、俊宏氏を会長にして、完全に引退するでしょう」(外資系証券会社の自動車担当アナリスト)

 俊宏氏は就任の会見で「チーム・スズキで衆知を集めて経営していく」と語っている。

トヨタ自動車社長の豊田章男氏は豊田家の出身としてでなくてもトヨタに入社できる能力があったが、俊宏氏はどうなのだろうか。修氏の後継者と目されていた小野浩孝取締役専務役員(修氏の娘婿)が07年末に膵臓がんで急逝したが、もし小野氏が生きていれば、修氏の苦悩はこれほど深くなかったはずだ。VWとの『離婚』は、修氏の孤独な闘いの新たなスタート地点となる」(自動車メーカー首脳)
(文=編集部)

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