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マンションの「電力」が危ない!高圧一括受電だと電力自由化も利用できず…電力停止のおそれも

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「Thinkstock」より
 4月1日から電力自由化が始まる。テレビや新聞紙上で電力自由化の報道や宣伝が毎日のように流され、消費者は「東京ガスにしようか」「ローソンならポイントがつく」「通信会社なら通信料も安くなる」など選択の楽しみを享受している。


 電力自由化は戸建てのみならずマンション住民も利用することができるが、実は今、高圧一括受電を導入したマンション住民からの苦情や問い合わせが経済産業省に殺到している。なぜなら、高圧一括受電を導入したマンションは、電力自由化を利用できないからである。その期間は、導入時より10年間が一般的である。

 高圧一括受電は、電力会社と高圧電力契約をしている事業者がマンションに低圧電力供給をすることによって利益を得る仕組みであるが、マンションに対しては、共用部門の電力料金を引き下げ管理費の引き下げメリットを提供することによって導入マンションを増やしてきた。しかし、マンション管理組合の総会議決で導入を議決しても、電力契約は戸別の契約になっており、導入にはマンション住民全戸の契約が必要で、導入反対の住民に対して訴訟をするといった脅迫行為が横行し、国会でも取り上げられたほどであった。

 こうした問題が、電力自由化によりいっそう露呈したのである。電力自由化は、2014年の国会で電力自由化法案が成立し、16年4月からの導入が決まったものである。しかし、14年以降のマンションへの高圧一括受電導入に際し、マンション住民には電力自由化の説明は一切なく、ましてや高圧一括受電導入後の契約期間(概ね10年間)は電力自由化を利用できないことなどの説明もされていない。そのために、電力自由化のテレビCMが盛んに流されることによって住民からの不満が高まり、経産省に苦情が殺到する事態になっているのである。

 個々のマンション住民にとって重要な情報を伝えず、管理組合総会議決を盾に強引に高圧一括受電を導入することが正当なのかが問われる。高圧一括受電を手掛ける事業者は多いが、業界団体がないため経産省も実態を掌握できず、脅迫行為などの無法行為も放置されている。

変圧器を差し押さえ


 事態は、さらに深刻化する恐れもある。それは、電力自由化の進展によりマンションへの高圧一括受電導入がストップし、事業者の経営が困難になり倒産が続出するのではないかという懸念である。マンションの電力自由化の利用世帯が増えれば、仮に管理組合の総会議決で導入が決められても契約は成立せず、反対する住民に対する脅迫行為も社会的に批判されることになるであろう。結局、新規導入はできないことになる。