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白井美由里「消費者行動のインサイト」

ユニクロ、それほど高品質・低価格ではなかった?高品質・低価格訴求の効果は限定的

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ユニクロの店舗(撮影=編集部)
 商品広告でよく見かける表現に、「高品質・低価格」があります。この言葉をキーワードにインターネットで検索してみると、さまざまな業種の企業サイトが表示され、商品だけでなくサービスのアピールポイントとして、広く一般に用いられていることがわかります。


 企業が「高品質・低価格」を積極的にアピールするのは、そうした商品を求めている消費者が多くおり、それらの消費者を惹きつけられるからであることはいうまでもありません。確かに、「高品質」と「低価格」は、両方とも消費者が購買意思決定において重視する点であり、これらがひとつの商品に同時に実現されているとしたら、消費者にとっていうことなしでしょう。

 しかし、ここでひとつの疑問が生じます。それは、そもそも「高品質」と「低価格」は相反するものであって、両立しないのではないか?ということです。もしも本当に商品の品質が高いのであれば、その高い品質を実現するためにさまざまなコストが発生するため、低価格では収まらないと考えられないでしょうか。また、もしも本当に価格が低いのであれば、その低い価格でコストのかかる高品質を実現することは難しいと考えられないでしょうか。

 コモディティ化(商品・サービスの均一化)が進行しているとはいえ、価格が相対的に高い商品は、依然として多くの製品カテゴリーで見られます。このことは、同じカテゴリーであっても、高価格帯の商品(以下、高価格品)と低価格帯の商品(以下、低価格品)の間にはなんらかの「違い」が消費者に認識されており、高価格品を購入する消費者が相当数いることを意味します。つまり、高価格品には、低価格品にはないベネフィットが認識されていることになります。

高価格品のベネフィットとは


 高価格品から得られるベネフィットはいろいろありますが、そのなかで、消費者がより多く支払うことに価値を感じるベネフィットはなんなのでしょうか。

 筆者は以前に、この疑問を明らかにするために一連の調査を行い、そのひとつで、「品質や性能が優れていること」や「知識・経験がなくても品質に安心感を持てる」といった「高品質」と関連するベネフィットに多くの消費者が支払い価値を感じていることを明らかにしました。【註1】。この結果は、複数の商品カテゴリーに共通して見られました。