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危険な牛肉、流通の恐れ…牛のBSE検査を国が大幅緩和、これまでの危険部位も検査対象外に

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「Thinkstock」より
 今、日本のBSE(牛海綿状脳症)対策を一変させるBSE国内対策見直しによる食品健康影響評価作業が、食品安全委員会プリオン専門調査会で行われている。


 これまでBSE検査対象牛は、48カ月齢以上の全頭だったが昨年12月、厚生労働省は対象から健康牛を外し、と畜場で運動障害や神経症状等がある24カ月齢以上の牛のみとすることを食品安全委員会に諮問。同評価作業はこれを受けたものである。これにより、ほとんどの牛は検査対象にならなくなる。

 2001年に日本でBSEが発生して以降、全月齢の牛を検査対象とする全頭検査体制を確立していたが、13年4月から検査対象牛を30カ月齢以上の牛に、同年7月からは48カ月齢以上の牛を検査対象にするよう規制を緩和してきたが、今回の見直しで原則検査をしないという方向に抜本転換することになる。

海外では発生相次ぐ


 では、世界的にBSEの発生はなくなっているのであろうか。今年3月には、フランスでBSE感染牛の新たな発生が確認されたばかりか、昨年はアイルランド、ノルウエー、スペイン、スロベニア、カナダ(以上、各国1頭)、英国(2頭)でBSE感染牛の発生が確認され、一昨年は、フランス(3頭)、スペイン(2頭)、ルーマニア(同)、ドイツ(同)、ポルトガル、英国、ブラジル(以上、各国1頭)でBSE感染牛の発生が確認されている。このように、BSEは決して過去のものではなく、発生件数は少なくなっているものの、現在も発生が続いているのである。

 そのなかでも問題なのが、異常プリオンが含まれている肉骨粉を含む飼料を原因として発生する定型BSEではなく、原因が不明で発生する非定型BSEである。前者は、肉骨粉などの動物性タンパク質飼料の使用規制によって発生を抑制することができるが、もちろん飼料規制が不徹底であれば発生は継続拡大する。

 これに対して非定型BSEは原因が不明であるだけに対策も打てず、発生を抑制することもできない。現にヨーロッパでは01年から15年までに非定型BSEが90頭も発生しており、飼料規制が徹底されているなかでも、以下の通り発生が継続している。

・10年:8頭
・11年:8頭
・12年:9頭
・13年:5頭
・14年:7頭
・15年:3頭

脅かされる食の安全


 この非定型BSEについては、3月10日に驚くべき研究結果が農研機構・動物衛生研究所から発表された。それは、「非定型BSEから新規BSEが出現する現象を確認」という次のような研究成果であった。