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黒田尚子「『足るを知る』のマネー学」

実母と義母が同時に要介護に…増加する多重介護、こうすれば無理なく行える!

文=黒田尚子/ファイナンシャルプランナー
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実母と義母が同時に要介護に…増加する多重介護、こうすれば無理なく行える!の画像1「Thinkstock」より

 40歳代後半から50歳代の方からのご相談を受けると、高い確率で質問されるのが親の介護について。その多くは、「親が要介護状態になったら、どうすればよいか」といった実際に介護を行う以前の、漠然とした不安感からくるものなのだが、それが現実のものとなったとき、そしてそれが「多重介護」であった場合、どうすればよいのだろうか?

50歳代前半で6割が介護を担う可能性大

 多重介護とは、高齢者や障害者など複数の人を同時に介護すること。たとえば既婚者であれば、自分と配偶者の両親が存命なら、そのうちのひとりが要介護になる確率は50歳代前半で6割、50歳代後半で9割ともいわれている。

 実際、全国60歳以上の男女1,000人に対する調査では、介護経験者に直近で介護をしていた時期を聞いたところ、全体で22.6%が「現在も介護をしている」と回答した。これを年代別でみると60代は24.7%、70代以上は15.1%が、現在も進行形で介護をしているという。

 仮に、介護者にきょうだいがいれば担い手も複数になるが、夫婦がひとりっ子同士で、さらにそれぞれ遠方に居住しているともなれば、問題は単純ではない。

実母と義母が同時に要介護に…増加する多重介護、こうすれば無理なく行える!の画像2※出所「シニアの介護に関する調査」(2016年3月)ネオマーケティング

介護者の4人に1人が多重介護を抱えている

 多重介護を行っている人は、現在約20万人。10年後には5割増加するという推計データもある(国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(2012年推計)」等、各種統計を基に、株式会社東レ経営研究所ダイバーシティ&ワークライフバランス研究部渥美由喜氏が作成)。

 また、10年に一般社団法人日本ケアラー連盟などが約2万世帯に実施した調査でも、介護者の4人に1人が複数介護との結果もある。このような多重介護のケースは今後も増加する可能性が高く、とりわけ昨今の非婚・少子化の状況を鑑みると、ひとりっ子の“おひとりさま”による多重介護が増えることは間違いない。

 頼りにできるきょうだいがいないひとりっ子は、「なんでも一人」という状態に慣れ親しんでいるがゆえに、介護も一人で抱え込んでしまう傾向が強いという。

 実は、我が家の娘もひとりっ子。夫は次男、私は長女で、きょうだいは複数いるため、ずっと甥っ子たちとの交流を欠かさず、将来に備えて、「困ったことがあれば、きょうだいのように助け合うように」と言い聞かせてきた。

黒田尚子/ファイナンシャル・プランナー

黒田尚子/ファイナンシャル・プランナー

 1969年富山県富山市生まれ。立命館大学法学部卒業後、1992年、株式会社日本総合研究所に入社。在職中に、FP資格を取得し、1997年同社退社。翌年、独立系FPとして転身を図る。2009年末に乳がん告知を受け、自らの体験から、がんなど病気に対する経済的備えの重要性を訴える活動を行うほか、老後・介護・消費者問題にも注力。聖路加国際病院のがん経験者向けプロジェクト「おさいふリング」のファシリテーター、NPO法人キャンサーネットジャパン・アドバイザリーボード(外部評価委員会)メンバー、NPO法人がんと暮らしを考える会理事なども務める。著書に「がんとお金の本」、「がんとわたしノート」(Bkc)、「がんとお金の真実(リアル)」(セールス手帖社)、「50代からのお金のはなし」(プレジデント社)、「入院・介護「はじめて」ガイド」(主婦の友社)(共同監修)など。近著は「親の介護とお金が心配です」(主婦の友社)(監修)(6月21日発売)
https://www.naoko-kuroda.com/

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