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有馬賢治「日本を読み解くマーケティング・パースペクティブ」

「不思議な仕事」政治家、いったいどんな働き方なの?参院選と都知事選前に必読!

解説=有馬賢治/立教大学経営学部教授、構成=A4studio

「政策という無形のサービスを有権者に訴え、対価として投票をしてもらう。これは一般企業がサービスを提供する対価に代金を支払ってもらうのと同じ構図だといえます。ただ、企業は特定の顧客に対して良い商品やサービスを提供しさえすれば満足してもらうことは可能ですが、対して政治家の難しいところは、全ての国民や市民が相手なので、万人が納得する政策を打ち出すことがほとんど不可能という点にあります。さらに、政治家個人の独自の実績など、有権者にわかりやすい形で在任期間内の成果を示していかないと、次の選挙で落選してしまう可能性もでてきます。こう考えると、一般的な商品やサービスよりも評価されるのが難しい仕事といえるかもしれません」

 それを知ってもらうのが選挙活動なわけだが、どの候補者も必死である。一般人からすると「選挙の前だけがんばって……」と皮肉を言いたくもなる光景だが。

「経営学的に働き方の形態から考えた場合、政治家は決して安定した職種ではありません。なぜなら、選挙で落選すれば失職してしまうからです。さらに、任期も決して長くはなく、衆議院の場合は解散もあります。ですから、政治を職業として一生安定して働き続けられるわけではありません。それだけに、選挙でなんとか自分の成果や政策の目標を知ってもらおうとするわけです」

 そう考えると、選挙の候補者は、毎クールごとにオーディションを受けてドラマの配役を手に入れる俳優に近いといえるかもしれない。任期を終えれば再び就職活動。確かに、安定という言葉からは程遠い。

「投票する側も政策に加えて、政治家も生活がかかっている、ということを念頭に置く必要があるでしょうね。候補者も落選すれば路頭に迷う可能性もあります。だからこそ、候補者たちの過去の実績やこれからの政策を注視し、彼らの発言にしっかりと耳を傾ける必要があるということです」

 舛添前都知事の問題で「政治家=ダーティ」というイメージがさらに強まってしまった風潮はあるが、生活を賭して日本のためにがんばろうとする候補者もいることは事実。だからこそ、それをしっかりと見極める義務が有権者にはありそうだ。
(解説=有馬賢治/立教大学経営学部教授、構成=A4studio)

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