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日産ゴーン、三菱自「完全支配」の狡猾戦略完遂…破格の「安い買い物」

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日産自動車のカルロス・ゴーン社長兼CEO(UPI/アフロ)

 三菱自動車工業の会長を、日産自動車のカルロス・ゴーン社長が兼務する。

 日産は、三菱自の益子修会長兼社長に対して社長留任を要請している。日産は月内に三菱自へ34%の出資を完了する。ゴーン氏の会長就任は、12月に開く三菱自の臨時株主総会後の取締役会で正式に決まる。益子氏は「日産からの出資受け入れ後に辞任する」意向を表明していた。だが、ゴーン氏は益子氏の社長続投を強く要望している。

 5月13日付け当サイト記事で次のように報じ、益子氏が社長として残る可能性にも言及した。

「三菱自の会長にはゴーン氏が就任する方向だ。日産から会長を含めて4人の役員が派遣され、11人の経営陣(ボード)の3分の1を制することになる。社長は三菱自から出す予定だが、技術のことが本当にわかる人物に替える。日産の傘下に入る前には、益子修会長(三菱商事出身)と相川哲郎社長(三菱自出身)は引責辞任するとみられていたが、益子氏はゴーン氏との関係で取締役として残る可能性が出てきた」

 三菱自の多目的スポーツ車(SUV)「パジェロ」は、タイやインドネシアでは人気が高い。日産はトヨタ自動車や本田技研工業(ホンダ)に比べてアジアのシェアが低い。中国を除くアジアの販売台数が世界販売に占める割合は、10%にも満たない。三菱自のタイなど複数の生産拠点を活用して東南アジアで現地生産に乗り出し、日産車の販売を増やしたいとの思惑がある。

 両社は軽自動車で共同戦線を張っているが、電気自動車(EV)の開発でも協力する。EV路線で孤立気味の日産にとって、三菱自は数少ないEVの仲間でもある。EVの軽自動車の共同開発が、資本提携後最初のプロジェクトになるかもしれない。

 軽の生産拠点を持たない日産は、三菱自が潰れては困るのである。今後、ゴーン氏流のしたたかな駆け引きが展開されることが予想される。三菱自の経営危機が、日産にとって絶好のチャンスとなったことだけは間違いない。日産は三菱自の買収を虎視眈々と狙っていた。

三菱自を激安で買った日産


 日産関係者によると、日産は今年に入ってすぐ、少人数のタスクフォースを編成し、三菱自を買収する場合のシミュレーションを行ってきた。4月20日の三菱自トップの記者会見を見て、日産側は「三菱自はもたない」と判断。具体的なプロポーザルを策定する作業に入った。この間、三菱自の株価は急落。大型連休最終日の5月8日、ゴーン氏は動いた。軽の共同開発会社を立ち上げた時の窓口で、気心も知れている益子氏に直接、資本提携を申し入れたのだ。