大阪府の小学校建設用地取得をめぐる問題で衆院予算委員会は23日、学校法人「森友学園」の籠池泰典氏への証人喚問を行った。
籠池氏は、安倍晋三首相の昭恵夫人から100万円の寄付を受領し、講演料として10万円を昭恵夫人へ渡していたことや、学園側と昭恵夫人が問題発覚後に頻繁にメールでやりとりをし、昭恵夫人から「口止めとも取れるメール」が届いていたことも明かした。
さらに2015年6月、森友学園が国から払い下げを受ける前の国有地の定期借地契約期間延長をめぐり、籠池氏が「昭恵夫人に助けをいただこう」と考え昭恵夫人に電話し、昭恵夫人付の政府職員が財務省へ照会していたことも明かした。
これを受け民進党の蓮舫代表は会見で、「首相夫人が口利き、あっせんしたとも取れる内容だ」との認識を示し、昭恵夫人の証人喚問を要求する事態に発展しているが、全国紙記者は語る。
「偽証すれば刑事罰に問われる衆院予算委員会の証人喚問で、わざわざ籠池氏が嘘をついているとは考えにくく、もし証言内容が事実であれば、民主党がいうように昭恵夫人による“口利き”だと捉えられてもおかしくありません。安倍首相が国会で『私や妻、事務所も含め、小学校の認可や国有地払い下げには一切関わっていない』『関係していたとなれば、首相も国会議員も辞める』と発言している以上、辞任しなければ筋は通らないでしょう」
夫人の行動が原因で首相が辞任に追い込まれるなど、前代未聞だが、なぜ昭恵夫人は混乱を招く行動をしてしまったのだろうか。
「昭恵夫人は騒動発生後も、ある会合で『今、なんで私はこう注目を集めてしまっているんだろうかと、すごく戸惑っています』『今は嵐の中にいる。嵐は自分の力ではどうにもならない』などと話していることからもわかるように、そもそも自身の行動が問題を起こしているという認識がない。昭恵夫人はその自由な言動から、一部では“自分の主張をしっかり持った行動派ファーストレディー”と好感を持たれていますが、特に確固とした信条に基いて行動しているわけではありません。
森友学園が運営する幼稚園を見学して感動すれば100万円を寄付し、自民党が原発存続を公約に掲げているにもかかわらず、反原発運動に取り組む人と意気投合すれば平気でツーショット写真をSNSにアップして、活動に肩入れしてしまう、そういう人です。要は、自身の行動がどのような事態を招くのかということを考えることができない人なのです。その場その場の思いつきで動いているだけです。よくいえば天真爛漫ということになるのでしょうが、そうした軽薄な言動が、安倍首相のみならず与党全体に危機を招いてしまいました」(同)