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水銀問題レポート(2)

東京、ごみ焼却炉清掃工場が水銀排ガスを空気中に放出…周辺住宅地を汚染

文=青木泰/環境ジャーナリスト
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東京、ごみ焼却炉清掃工場が水銀排ガスを空気中に放出…周辺住宅地を汚染の画像1柳泉園組合有害ごみ保管場所

 都市部にあるごみの焼却炉を持つ清掃工場の周辺には、住宅地が広がる。その清掃工場のごみ焼却炉から水銀排ガスが放出されていれば、周辺住民の健康や環境の面で放置できない問題となる。

 当サイトで以前、東京23区や三多摩地区でEUの規制値を超える水銀排ガスが、煙突から放出される事故が連続している事実を報告した。現在、環境省が国際水銀条約の発効に備えて進めている国内法の整備、改正大気汚染防止法では、現に起きている水銀事故に対して対応・対処できる内容になっているかが、まず問われることになる。

 2010年に東京23区の5つの焼却炉で起きた水銀事故に際して、市民団体や専門家によりつくられた「水銀汚染検証市民委員会」の報告書「清掃工場の連続水銀事故の検証と課題」(環境総合研究所のHPより)では、プラスチック製品の焼却をやめることが主な対策になるとの提案がなされていた。

 しかし「東京二十三区清掃一部事務組合」でごみを焼却する23区では、今も約半数がプラスチックを可燃ごみとする処理を改めていない。そのため事故が続き、ついに2016年4月までに18回の水銀事故が続いている。

 13年に稼働した「ふじみ衛生組合」(三鷹市、調布市)でもすでに7回の水銀排ガスの放出事故があり、ここでもプラスチック製品を焼却していた。いずれの清掃工場でも自主規制値を設け、水銀自動測定器を設けていたために、事故をチェックすることができていた。

 水銀の環境中への排出・放出から人の健康と環境を保護するために、環境省が設ける防止策にとって、現に事故を続ける事例の教訓化は大切である。環境省が今取り組もうとしている大気汚染防止法の改正が、そのような事情を考慮して進められているのかを検証したい。

意識的に有害物を燃やし、処分を受けた自治体

 その検証に入る前に、プラスチック製品を焼却していないとする自治体での2つの水銀汚染事故事例も検証しておきたい。

 東京都三多摩地区にある「多摩川衛生組合」(狛江市、稲城市、府中市、国立市のごみの焼却等を行う)の有害ごみの焼却事件(09年12月、10年2月)は、広く知られている。そして15年9月1日に起きた「柳泉園組合」(東久留米市、清瀬市、西東京市が構成市)での水銀事故の事例もある。

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