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任俠団体山口組の動きに「古川組・真鍋組」の地元・尼崎住民が反発…当局も無視できない事態に

文=沖田臥竜/作家
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任俠団体山口組の動きに「古川組・真鍋組」の地元・尼崎住民が反発…当局も無視できない事態にの画像15月28日、任俠団体山口組の定例会を迎え、尼崎の古川組本部周辺は警察やマスコミ関係者が集結し騒然としていた。

 神戸山口組から割って出た任俠団体山口組が4月30日に結成式を開催し、発足後、5月28日は初となる定例会を開催したことで報道陣がまたしても殺到した兵庫県尼崎市。この地に本拠を構える古川組も、神戸山口組分裂に伴い、2代目古川組と三代目古川組に分かれたことは当サイトでもお伝えしたが【参照】、任俠団体山口組においてナンバー2の重責を担う、池田幸治本部長率いる四代目真鍋組もまた同じく尼崎を拠点にしている。

 ただ、マスコミからもヤクザ業界からも大きく注目された古川組と違い、今回の騒動の最中、四代目真鍋組の名前が表立って語られる機会は少ない。任侠団体山口組の結成式や初定例会が古川組本部で行われ、三代目古川組の有力幹部らが任俠団体山口組の直参に昇格しているのに対して、四代目真鍋組からは、本部長を務める池田組長以外、誰も直参へと昇格を果たしていないという大きな違いもある。これについて地元捜査関係者はこう見解を語る。

「真鍋組自体の組織力を保持するためと、組内に無用な派閥をつくらせないために、古川組とはまた違った運営体制をとっているのではないか」

 確かに、組織内に上位団体の直参の肩書を持つ幹部が複数いると、それぞれの幹部が力を持つことで、さまざまな弊害を生む可能性はあるだろう。分裂後の組織をめぐる状況が流動的な中であれば、なおさらだ。一方で、神戸山口組が誕生した際に一時的に新設された「幹事」という役職には、四代目真鍋組の最高幹部の名が連ねられていた。この違いは何なのか。

 言えるのは、池田組長は、任俠団体山口組においては織田絆誠代表と同等の求心力を持ち続ける必要がある中心人物であるということだ。織田代表が、神戸山口組の井上邦雄組長の懐刀的存在であったことは周知の事実だが、池田組長もまた井上組長とは昵懇の間柄であった。六代目山口組から割って出た後も、両者は神戸山口組のために尽力してきたことは知られている。その2人が神戸山口組から離脱したということは、相当の事情や覚悟があったに違いない。織田代表と池田組長が一蓮托生であることは間違いなく、任俠団体山口組において、池田組長や真鍋組を他の傘下組織と同等に語ることは容易ではないのだ。

 ちなみに、その四代目真鍋組や三代目古川組が本部を構える尼崎では、今後、任俠団体山口組の会合が大々的に開催される可能性は低そうだ。地元捜査関係者いわく「ゴールデンウィーク真っ只中の4月30日に古川組本部で結成式を開いたことに対して、近隣住民から苦情が殺到した」という。そして分裂後初となる定例会も開催日が日曜日となったことで、古川組本部周辺には、休日にもかかわらず、またも組関係者や警察官、マスコミが集結し騒然としたのである。

 この日は警察当局も一定の規制を張り、混乱が起きないように対応に当たっていたが、住民の不安や不満が高まるばかりだ。現在の尼崎は平穏を取り戻しているが、再び同じような状況になれば、任俠団体山口組の今後の活動に影響を及ぼすような、当局による抜本的な措置が取られる可能性もある。

六代目サイドにも再分裂を意識した動きが

 ところで、神戸山口組が割れることが公に広まった4月28日より数日前、六代目山口組サイドでもそれを意識したかのような動きがあったのではないかという情報が最近注目されている。

 それは、六代目山口組分裂を機に二代目古川組を離脱し、現在は独立路線の運営を行っている関東の組織のトップのもとを、六代目山口組最高幹部の一人が訪問し、会談が持たれたというものだ。このトップは、二代目古川組発足時には若頭、離脱前には舎弟頭を務めていたほどの関東でも知られた存在で、以前から六代目山口組に勧誘されているとの噂が立つような有力者だった。

 今回噂になった会談についても、時期が時期だっただけに、分裂につながることになる神戸山口組の内部衝突を踏まえて、同団体に近かったこの関東の組織をいち早く自陣に引き入れようとした、または、ほかの団体には合流しないように要請したのではないかという見方があるのだ。

 その後、その組織が六代目山口組、もしくは神戸山口組、任俠団体山口組に加入したという話は聞かれないが、会談が事実であるとするならば、六代目山口組サイドも神戸山口組の分裂を早い段階から掴んでいた可能性は高い。今後も六代目山口組が、神戸山口組の分裂状態に対してどのようなアクションを起こしていくのかが注目される。

(文=沖田臥竜/作家)

●沖田臥竜(おきた・がりょう)
2014年、アウトローだった自らの経験をもとに物書きとして活動を始め、『山口組分裂「六神抗」』365日の全内幕』(宝島社)などに寄稿。以降、テレビ、雑誌などで、山口組関連や反社会的勢力が関係したニュースなどのコメンテーターとして解説することも多い。著書に『生野が生んだスーパースター 文政』『2年目の再分裂 「任侠団体山口組」の野望』(共にサイゾー)など。最新刊は、元山口組顧問弁護士・山之内幸夫氏との共著『山口組の「光と影」』(サイゾー)。

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