今年もこの時季がやってきた。来る10月31日のハロウィンに向けて、仮装の準備に余念がないパリピ(Party People)も多いことだろう。今年も多くの来場者が予想される東京・渋谷の“渋谷ハロウィン”は、独自文化を確立する様相を呈している。
ハロウィンはアメリカが本場だ。ヨーロッパでは、ハロウィンを祝う習慣がない国もある。アメリカではハロウィンは子供の行事といえ、仮装をした子供たちが近所の家々を回りお菓子をもらう。だが、そもそもは秋の収穫を祝い、悪霊を追い出すといった宗教的な意味合いの祭りだ。
これに対し日本のハロウィンは、渋谷ハロウィンに代表されるような、パリピが仮装して騒ぐイベントとなっている。最近では海外でも渋谷ハロウィンは有名になりつつあり、外国人が渋谷の様子をカメラに収めようと構える姿も珍しくない。一方で渋谷ハロウィンは、着替えやゴミの問題をめぐり、参加者のモラルが問われている。
そんな渋谷ハロウィンを盛り上げるべく、渋谷区や「ハロウィンごみゼロ大作戦in渋谷実行員会」などが行っている取り組みを紹介したい。
仮装のための着替え専用スペース設置
過去に商業施設のトイレなどを使用して着替えることが問題となった例があったため、渋谷区や事業者らの協力により、10月31日には着替え専用スペースが設置される。どのスペースも混雑が予想されるため、可能であれば家から仮装して来場するのがお勧めだが、どうしても渋谷で着替える場合は、商業施設や駅のトイレなどではなく専用スペースの利用をしていただきたい。
着替え専用スペースは、以下に設置される。
・SHIBUYA109下、渋谷駅1、2番出口フィッティングルーム 10月31日(火)17:00~22:00
・ハロウィン道玄坂更衣室(Studio mission 7F) 10月29日(日)、30日(月)11~23時
渋谷区道玄坂2-10-12新大宗ビル4号館 7F(駅より徒歩5分)
・ドン・キホーテ渋谷ハロウィン特設エリア 25時まで利用可能
渋谷区道玄坂2-25-8
※ただし、ドンキの電子マネー「majika」への会員登録(登録料100円)が必要
仮設トイレ
人が集まる場所での大きな問題のひとつがトイレだ。宮下公園駐輪場内とオルガン坂下駐輪場内に仮設トイレが設置されるほか、渋谷駅東口公衆便所、渋谷区立区役所前公衆便所があるので、行かれる方は事前に確認してほしい。
ゴミは「エコステーション」へ
ハロウィン後のゴミの問題は大きく、昨年も歩行者天国として開放された道路の植え込みなどに、空き缶や仮装に使った衣装などのゴミが散乱していたことが報道されている。ハチ公広場前、宇田川交番前、西武渋谷店A館前、東急百貨店本店前に「エコステーション」が設置されるので、ゴミの散乱が減ることを期待したい。
また、昨年はハロウィン翌日にボランティアによる大規模なゴミ拾いが行われ話題となったが、今年もハロウィン翌朝の清掃ボランティアを募集している。協力したいという人は、「ハロウィンごみゼロ大作戦 in 渋谷 実行委員会」から申し込んでいただきたい。
痴漢被害も多発
昨年は、SHIBUYA109から道玄坂まで、一時は満員電車かと思うほどの混雑ぶりだった。そんななか、「痴漢被害に遭った」といった女性のツイートも多く、お祭りムードの陰で卑劣な行動に出る輩がいることも浮き彫りになった。ハロウィンでは、露出が多い仮装をする女性も多く見られるが、十分に注意してほしい。ハロウィン一色となる渋谷にいると、ついハメを外しても大丈夫と思いがちだが、公衆の面前であるということを忘れてはならない。
(文=道明寺美清/ライター)