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安倍内閣、6割が世襲議員の異常さ…過去15年で国民の所得14%減、資産ゼロ世帯は2倍

文=林克明/ジャーナリスト
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安倍内閣、6割が世襲議員の異常さ…過去15年で国民の所得14%減、資産ゼロ世帯は2倍の画像1供託金の違憲性を問う訴訟

 世界一高い選挙供託金(選挙区300万円・比例区600万円)は、財産の多寡によって選挙権が制限されてはならないとされている憲法44条違反だとして、国を訴えている裁判の第6回口頭弁論が1月10日、東京地方裁判所で行われた。

 一般庶民の選挙権を制限している事実に真正面から挑んでいるのだから、日本が民主主義国家かどうか問われる重大裁判だ。

 埼玉県在住の近藤直樹氏(自営業・57歳)が、300万円の供託金を支払えずに2014年12月に実施された総選挙で立候補を断念せざるを得なかった精神的苦痛に対し、300万円の支払いを国に求めて16年5月27日に東京地裁に提訴していた。

 選挙権には、立候補権と投票権の双方が含まれるが、この裁判は立候補権に関するものだ。

貧乏人を選挙から排除するための高額供託金

 日本では、国政選挙なら選挙区で300万円、比例区で600万円を選挙管理委員会に供託しないと立候補ができない。そして一定の得票数に達しなければ、その供託金は没収される。

 供託金制度ができたのは、1925年の普通選挙法成立と同時。それまで納税額によって選挙権が制限されていたが、このときに25歳以上の男子全員が選挙権を獲得した。

 そうなると、無産者(労働者階級)出身者が大量に国会に進出する可能性が高まってしまうので、それを阻止するために高額の供託金を課した。そればかりか、同時に治安維持法を制定して社会運動そのものを弾圧したのである。

 当時の供託金導入の理由は、売名行為の立候補や泡沫候補が乱立して混乱することを避けるためということだった。そして、現在進行中のこの裁判でも、被告の国は似たような主張をしている。

 つまり、貧しい人を最初から排除する国の思想が93年たっても変わらず、シングルマザー、派遣労働者、非正規労働者、零細事業者たちを代表するような人は立候補すらままならない。

 一方で、安倍内閣の閣僚の6割が世襲議員であり、国会議員全体を見渡しても親や祖父母の代から政治家という人が相当数を占めている。つまり、日本の国会は、貴族たちが政治を牛耳っていた市民革命前のヨーロッパを思わせる姿をしている。

 このような状態だから、主に与党議員たちは、巨大企業や大資産家に有利な政策を決め、庶民の生活を苦しくする政治を進めている。その元凶が高額供託金だと言って過言ではない。

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