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任侠山口組定例会の日に大物幹部を再逮捕した大阪府警の執念…六代目山口組系からは独立組織の誕生か?

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任侠山口組定例会が行われた古川組本部
一時に比べ、周囲は落ち着いた様子

 2月最終日となった28日。著者の地元でもある兵庫県尼崎市に、任侠山口組の直参組長らが続々と結集した。夕刻となる午後4時から、同市に本拠を置く古川組本部で定例会を開催させたのだ。

 任侠山口組は古川組本部で結成式を執り行い、詰めかける報道陣と警備にあたる捜査員の多さによって、近隣住民から苦情が出るほど、あたり一帯を騒然とさせる事態になっていた。だがそれも月日の経過と共に収まりを見せ、詰めかける報道陣も当初から比べると随分と減ってきている。

 今回定例会の開催が夕刻からとなったのは、ある理由があったと関係者らは話している。それは任侠山口組で本部長の重役を務める四代目真鍋組・池田幸治組長が、この日に釈放されると見られていたからだ。

 任侠山口組サイドしては、組織の要である本部長の釈放後に定例会を開催させたかったと思われる。だが、それを見越したかのように、大阪府警は池田組長を釈放することなく、前回の容疑と同じ柔道整復師の施術報酬詐欺で再逮捕したのだ。

「前回同様、整骨院で虚偽の書類を偽造して医療費を騙しとったとする容疑ですが、被害額も16万円と少額だったことを見ても、あえて再逮捕する必要があったのかと疑問に思います。罪状も同じですから、一度目の逮捕でひとつの事件として取り調べることも可能だったのではないかと考えられるからです。それだけ、池田組長を長く拘束しておきたいとする警察当局の意思の表れではないでしょうか」(法律に詳しい専門家)

 ただ、任侠山口組にとっては、前向きな動きとも取れるニュースもあった。定例会を開催させた日の午前中には、2人の直参組長を誕生させているのだ。

 新たに任侠山口組へと加入したのは、初代倉本組で執行部を務めた経験のある辻本組・辻本誠之組長で、任侠山口組には舎弟の立場で参画したという。同時に任侠山口組内五代目春駒組総裁に就任したようだ。

 もうひとりの直参組長は内部昇格となった。同組で本部長補佐を務める前川勝優会長が率いる北海道絆連合会(北海道札幌市)から、同連合会の長野支部長でもある二代目清水組・道久誠組長(長野県長野市)が昇格を果たしたのだ。

「辻本総裁は織田代表の出身でもある初代倉本組で若頭代行を務めたほどの人物で、渡世でいえば織田代表の先輩にあたるほどの重鎮。道久組長は六代目山口組分裂直後、当時山健組系列に所属していた竹内組と弘道会野内組が激しく衝突した際に、道久組長率いる二代目清水組事務所を、神戸山口組系の長野勢の待機場所に使用するなど重要な役割を果たしていた。それだけに、神戸山口組から任侠山口組に移籍した直後から、直参昇格の噂があった」(任侠山口組関係者)

 注目された定例会では、池田組長が再逮捕され不在中ということもあってか、重要な通達事項などはなかったといわれている。ただ、議題の中に、情報漏洩に関する内容があったといわれており、早ければ今月中にも実施される任侠山口組の指定暴力団認定を控え、改めて徹底した組織内の情報管理が呼びかけられたのではないだろうか。

元五菱会でも大きな異変が…

 任侠山口組の定例会が開催された翌日。六代目山口組六代目清水一家に異変が起きた。

 高木康男総長が率いる六代目清水一家は、五代目山口組時代には故渡辺芳則組長が命名した「五菱会」と名乗っていた時期があった。巨大な闇金融システムを構築し、莫大な利益を上げて、「闇金の帝王」といわれた人物が、その五菱会で実質的なナンバー2だったといわれたことから、かつて五菱会の名もメディアに大々的に報じられたことがある。この巨大闇金事業は2003年に摘発され、高木総長や実質的なナンバー2も逮捕されるに至った。

 その五菱会時代に若頭を務めて、六代目清水一家で顧問の要職にあった豊田組豊田邦治組長が、六代目清水一家から処分され、組を離れることになったのである。処分の理由については関係者らが重く口を閉ざし、詳細は明らかにされていない。

 六代目山口組を離れた豊田組をめぐっては、先の二代目兼一会のように【参照※山口組分裂後、屈指の大型移籍が実現】、神戸山口組や任侠山口組などの団体による争奪戦が繰り広げられるのではないかとみられていたが、ある地元関係者はこのように話している。

「豊田組は資金力もあり、この時期だけにどこの組織でも取り入れようとする動きがあってもおかしくはないはずだ。だが、当面は組織内から誰も欠けることなく、一本(独立組織)でやっていく方針ではないかと聞いている」

 以前では考えにくいことだったが、六代目山口組分裂後、3つに分かれたどの山口組にも属せず、独立路線を貫いている組織が複数存在している。この関係者によれば、豊田組もその選択肢を選ぶのではないかというのだ。

 当局のヤクザ、特に各山口組に対する締め付けが強化されればされるほど、組織の存亡を賭け、一本の道を選択する組織が今後も出てくる可能性はある。
(文=沖田臥竜/作家・元山口組二次団体幹部)

●沖田臥竜(おきた・がりょう) 元山口組二次団体最高幹部。2014年、所属していた組織の組長の引退に合わせて、ヤクザ社会から足を洗う。以来、物書きとして活動を始め、『山口組分裂「六神抗」』365日の全内幕』(宝島社)などに寄稿。著書に『生野が生んだスーパースター 文政』『2年目の再分裂 「任俠団体山口組」の野望』(共にサイゾー)。最新刊は『尼崎の一番星たち』(同)。

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