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山口組分裂後、屈指の大型移籍が実現!武闘派組織・兼一会が六代目山口組・極心連合会入り

文=沖田臥竜/作家
山口組分裂後、屈指の大型移籍が実現!武闘派組織・兼一会が六代目山口組・極心連合会入りの画像1兼一会を迎え入れた極心連合会の橋本弘文会長(写真中央)と六代目山口組幹部

 ついに事態が動いた。神戸山口組四代目山健組から絶縁処分を受けて以来、その動向に関心が集まっていた植野雄仁会長率いる二代目兼一会が2月21日、六代目山口組・橋本弘文統括委員長率いる極心連合会(六代目山口組二次団体)に加入を果たしたのだ。【これまでの経緯は以下の記事を参照:神戸山口組に絶縁された武闘派団体/武闘派離脱で山口組に第4勢力誕生か

「兼一会の動向が注目されるなかで、一部こんな噂が出ていた。それは植野会長について四代目山健組を割って出る幹部らと、二代目兼一会を抜けて山健組へ残留する幹部らとに分かれるのではないかという話だ。しかし、結果はまったく違い、兼一会はそろって極心連合会へと移籍を果たしたと聞いている。この移籍は六代目山口組分裂後、まれにみるほどの大型移籍といえるのではないか」(六代目山口組関係者)

 さまざまな憶測や噂が取り沙汰された植野会長の絶縁処分後の騒動は、極心連合会への加入ということで終止符を打つことになった。今後注目されるのは、武闘派組織である二代目兼一会を迎えた極心連合会の存在ということになるだろう。

「極心連合会を率いる橋本会長も、植野会長と同じ山健組の出身。勢力8000人ともいわれた三代目山健組当時に、長年にわたり若頭を務めてきた人物で、三代目山健組の桑田兼吉組長が服役中には、組長代行職に就いていたほど。それだけの実力者だっただけに、五代目山口組体制で直参昇格後は瞬く間に若頭補佐へと登用され執行部入りを果たし、現在へと至っている。今回、武闘派で鳴らした兼一会を迎え入れることに成功したことも、分裂後の六代目山口組の中では大きな功績となっていくのではないか」(独立団体幹部)

 極心連合会という名が過去にもっともメディアで話題となったのは、なんといっても島田紳助氏の芸能界引退騒動の時だろう。この時、紳助氏は橋本会長との交際歴が取り沙汰され、自ら芸能界から去るという決断をし、大騒動となったのは記憶に新しい。

 また、六代目山口組分裂後には、橋本会長の六代目からの離脱説が流れたこともあったが、プラチナ級といわれる二代目兼一会を加え、六代目の中でも屈指の組織となっていくのではないだろうか。

山健組の拠点のひとつが突如閉鎖された理由

 一方、神戸山口組では、これまで「山健会館」と業界関係者に呼ばれていた、神戸市花隈にある四代目山健組本部事務所に隣接するビルを閉鎖させたことが、捜査関係者らへの取材で明らかになった。

 同ビルには、四代目山健組幹部らだけではなく、神戸山口組直参組長らもこれまでたびたび訪れており、神戸山口組と友好関係にある他団体との交流の場としても利用されてきた。そんな重要なビルが突然閉鎖した裏側にはいったい何があったのか。ヤクザ事情に詳しい地元記者は、このように話している。

「今回の閉鎖は、警察当局から勧告を受けてのものではなく、あくまで自主的に閉鎖させたと聞いています。これは、山健組だけではなく、神戸山口組が自身の実態を当局に把握させないために動き出したようにしか思えないのです。そういった傾向は、閉鎖した翌日の21日にも見られています。この日は、関係者らの間で神戸市二宮にある神戸山口組事務所で執行部会が開催されるのではないかと見られていました。しかし実際は、この場所で会合がもたれたという話は聞きませんし、この場所以外のどこかで会合が行われたかどうかもわからない。ヤクザを徹底的に社会から締め出そうとする暴力団排除条例が施行されて以来、海外マフィアのように、ヤクザが地下に潜ることになるのではないかと懸念されてきましたが、いよいよそうなり始めたのではないでしょうか」

 つまり、根絶するわけでもなく、取り締まり強化だけを続けた結果、生き残りに必死のヤクザは、拠点やシノギを変えるなどして、組織のあり方を変貌させようとしていると指摘しているのだ。

 当局、ひいては国家の現在の方針が今後、吉と出るか凶と出るかはわからない。だが、一時は社会と共存していた組織をラディカルに締め出そうとする動きが、なんらかの軋轢や弊害を生み出す可能性もあるのではないだろうか。

 任侠山口組・織田絆誠代表襲撃事件以降、世間を震撼させるような事件は起きていない。しかし、水面下では六代目、神戸、任侠といったそれぞれの山口組は、当局からの激しい締め付けに対して、組織防衛に回りながらも対立勢力の切り崩しに重点を置き、組織拡大のために攻防を繰り広げているといえるのではないか。

(文=沖田臥竜/作家)

沖田臥竜/作家

沖田臥竜/作家

作家。2014年、アウトローだった自らの経験をもとに物書きとして活動を始め、小説やノンフィクションなど多数の作品を発表。小説『ムショぼけ』(小学館)や小説『インフォーマ』(サイゾー文芸部)はドラマ化もされ話題に。最新刊は『インフォーマ2 ヒット・アンド・アウェイ』(同)。調査やコンサルティングを行う企業の経営者の顔を持つ。

Twitter:@pinlkiai

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