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神戸山口組を絶縁された武闘派組織・兼一会に飛び交う六代目山口組入りの噂

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山口組分裂騒動の最中、時の人となった兼一会の植野会長

 神戸山口組の中核組織である四代目山健組で内紛が勃発。武闘派として知られ、強力な組織力を誇る二代目兼一会の植野雄仁会長に絶縁処分が下されるという事態に発展し、同団体が本部事務所を置く大阪ミナミでは緊迫した状況が続いている。

 それまでの詳しい経緯は、先日お伝えした速報【※武闘派離脱で山口組に第4勢力誕生か】を参照してほしいが、2月16日には、兼一会組員の詐欺事件の関連先として、兵庫県警葺合署が同本部事務所に家宅捜索をかけ、周辺を騒然とさせている。これについて、ヤクザ事情に詳しいジャーナリストはこのように話す。

「兼一会が本部を置く大阪ミナミ(中央区島之内)には、常に100人を超える組員が周辺に待機していると言われています。それを牽制する意味で、当局でもかなりの捜査員を家宅捜索に動員したようです」

 ただし、騒然としたのはミナミだけではないと関係者は話す。

「岐阜県にある兼一会の支部にも13日には、兼一会の組員が大勢かけつける事態があったようだ」(神戸山口組関係者)

 その理由は、岐阜県を拠点に勢力を誇る六代目山口組傘下の有力団体組員が、兼一会の関係先のインターフォンを鳴らしたことだった。結果、組員らの間で争いにつながるような事態には発展しなかったというが、兼一会サイドでは万が一に備え、大勢の組員を派遣したのではないかと捜査関係者ではみている。瞬時にこれだけの動きを見せた兼一会の組織力にあらためて驚かされた業界関係者も少なくないのではないだろうか。

 そうしたなか、15日には「兼一会が六代目山口組の有力団体に加入した」と、あたかも確定情報として業界関係者の間に駆けめぐった。しかし、筆者も裏付けを急いだが、そのような事実はなかった。ある関係者はこう語る。

「山健組から兼一会が出ることになってから今日まで、『六代目山口組系のどこどこの組織に加入した』だの、『六代目山口組系のどこどこの組織が兼一会入りを蹴った』だの、毎日のように勝手な噂が流れているが、“全国区”といわれ、一本(独立団体)としてもやっていける勢力を誇る兼一会が、神戸(山口組)を出ることになったからといって、すぐさま六代目(山口組)加入とはならないのではないか」

 一方で、このように話す六代目山口組二次団体幹部もいる。

「兼一会の植野会長のもとには直接プラチナ(直参)の幹部数名から連絡が入っている。六代目山口組だけでなく、他団体からもだ。特に六代目山口組側が兼一会を迎え入れたいと考えているのは事実だろう」

絶縁処分には別の理由があるのか?

 六代目山口組の直参幹部らから直接、勧誘をされるほどの組織。二代目兼一会を率いる植野会長とは、一体どういった人物なのか。

「60代半ばの植野会長は、三代目山口組時代、“ボンノ”の愛称で一世を風靡した菅谷政雄組長率いる菅谷組の出身で、ここで舎弟頭をやっていた浅野組・浅野二郎組長の若い衆だったと聞いている。浅野組長は菅谷組解散後、のちに四代目山口組と対立することになった一和会に直参として参画。浅野組時代には、全国指名手配されるような事件を植野会長は起こしており、当時からその武勇は知られていたようだ。浅野組解散後、山健組初代兼一会に加入し、そこから山健組一筋でやってきた親分だ」(四代目山健組関係者)

 昨年春に、織田絆誠代表らが神戸山口組を離脱し、任侠山口組が結成されたが、1年も経たないこの時期に植野会長を絶縁し、兼一会を離脱させたのは、山健組だけでなく神戸山口組としても大きな戦力ダウンになるはずだ。それでも山健組は植野会長を処分した。確かに山健組は、神戸山口組の二次団体ではあるものの、「プラチナ級」といわれるほどの実力者が多く存在している。

 だが、今回の絶縁処分は、神戸山口組といった組織内外に何らかの影響をもたらすのではないか、と危惧する関係者らの声は多い。

「発端となったのは、店舗側のインターネットカジノの面倒見をめぐるトラブルだった。兼一会のシマにある店舗だったのにもかかわらず、太田興業にショバ代が流れていた。これに異を唱えた兼一会に対して、太田興業幹部が話をつけに兼一会本部を訪ねたわけだが、その時、太田興業幹部と一緒にいた任侠山口組幹部が、対応に出た兼一会組員に対して、どうも先に自らの杖で暴行を加えたのではないかとみられている。それに激昂した兼一会組員が任侠山口組幹部に反撃したとしても、ヤクザの世界の道理では、兼一会サイドに落ち度や不自然な点はない。兼一会側が被害者ともいえる。

 夜中に酒を飲んで、カジノの件で、『ワシなら兼一会に話ができる』と語る太田興業幹部に問題があったのではないか。ましてや任侠山口組幹部と飲食し、兼一会に乗り込んでしまうかたちとなったのだから、反対に太田興業の幹部がなんらかの処分を受けてもおかしくなかったと指摘する関係者も少なくない。そういった声は神戸山口組内部だけではなく、外からも聞こえてきている」(神戸山口組関係者)

 また、太田興業幹部が、先に兼一会の対応に出た組員に、なんらかの暴行事件になるきっかけをつくったと話す関係者もいるようだ。いずれにしても前出の関係者が話すように、「兼一会に非があったようには思えない」と見る向きが強い。そうした状況は山健組執行部も把握しているはずだが、そんななかで植野会長に絶縁処分が下されたということは、処分の原因はそれだけではなかったのかもしれない。

 兼一会の本部がある大阪市中央区島之内には、織田代表の名前の表札がかかる任侠山口組絆連合も存在し、その距離は正に目と鼻の先である。偶発的なバッティングが、いつ起きてもおかしくない状態は続く。
(文=沖田臥竜/作家・元山口組二次団体幹部)

●沖田臥竜(おきた・がりょう) 元山口組二次団体最高幹部。所属していた組織の組長の引退に合わせて、ヤクザ社会から足を洗う。以来、物書きとして活動を始め、『山口組分裂「六神抗」』365日の全内幕』(宝島社)などに寄稿。著書に『生野が生んだスーパースター 文政』『2年目の再分裂 「任俠団体山口組」の野望』(共にサイゾー)。最新刊は『尼崎の一番星たち』(同)。

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