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売上激減のミスド、「ゴハン」参入の裏にコンビニとの「共倒れ」…日本の消費者の根本的変化

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ミスタードーナツのロゴ(「Wikipedia」より/Opponent)
 居酒屋、ファストフード、ファミリーレストラン……今、外食産業全体が苦戦しており、さまざまな手法で生き残りを図っている。そうしたなかで大きな方向転換を行っているのが、ドーナツ専門店のミスタードーナツ(以下、ミスド)だ。


 ミスドは2017年11月からトーストや惣菜系パイなどの軽食メニュー「ミスドゴハン」を開始し、今年2月からはパスタやホットサンドなど、より本格的な食事の提供を始めている。

 しかし、ドーナツ専門店だったはずのミスドが、なぜ「ミスドゴハン」なのだろうか。経済評論家の加谷珪一氏は、「そこには、ミスドのみならずコンビニも含めた軽食業界全体の変化がある」と指摘する。

もはやドーナツだけで経営は無理?


 加谷氏は、ミスドは「もはやドーナツだけで経営をしていくのは厳しい状況にある」と言う。

「ミスド側は、ミスドゴハンによって『顧客の利用動機を拡大したい』としていますが、これはつまり、ドーナツだけでは不十分ということ。そこで、『ミスドで食事をする』という需要を取り込もうとしているのです」(加谷氏)

 ミスドでは、以前から「汁そば」などの飲茶メニューも提供しているが、あくまでサイドメニュー的な扱いだった。しかし、今回のミスドゴハンでは、店舗キッチンの強化などをはじめ、以前とは明らかに力の入れ方が違うという。

「現在、ミスドはキッチン機能を強化してメニューを増やし、業態転換を図っている最中です。ただし、キッチンを強化するとスタッフが不足してしまう可能性が高い。そこで、キッチンがある大きな店を拠点にして、その近辺にはキッチンがない小さな店を展開し、そこに大きな店でつくった商品を配送するなどして、店舗の規模を二極分化することで人手不足の解消を模索しているようです」(同)

 確かに、「キッチンの強化」と一口に言っても、スタッフの技術訓練や設備投資、人件費など多くの問題が出てくる。言い換えれば、それらの高いハードルをクリアしてでも、ミスドは食事メニューを充実させる必要性があったのだ。

ミスドとコンビニ、ドーナツ戦争で共倒れ


 業態転換には、ミスドの業績不振が深く関係しているという。ミスドの「全国チェーン店お客様売上高」を見ると、13年3月期の1112億1300万円から右肩下がりで、17年3月期には818億1400万円にまで落ち込んでいる。

 なぜ、ミスドの業績が下がっているのか。それにはさまざまな要因が考えられるが、ひとつには日本の実質賃金が下降線をたどっていることがある。

「ドーナツの本場のアメリカでは老若男女を問わずドーナツを食べる習慣がありますが、日本のドーナツ市場の主なターゲットはまとめ買いをして自宅で食べるファミリー層と店内利用の高校生です。しかし、家計が苦しくなれば食費を切り詰める必要が出てきて、高校生のお小遣いも減っていく。そうなると、嗜好品であるドーナツは必然的に選ばれなくなってしまうんです」(同)

 また、「ドーナツ市場にコンビニが参入してきたことも、ミスド不振の要因となった」と加谷氏は指摘する。

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