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甲子園の迷物「8号門クラブ」排除でスッキリ爽快!? 時代の流れについていけない哀れさが......

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阪神甲子園球場(AC photoより)

 現在開催中の「第88回 選抜高校野球大会」。今年も高校球児が春の訪れを告げる激戦を展開している。夏の大会ほどではないものの、やはり注目度は他の高校スポーツとは比較にならないレベルだ。28日は準々決勝。いよいよ佳境に入ってきた。

 そんな中、テレビ中継で観戦していた多くの人々は、一様に「違和感」を覚えたのではないだろうか。「何かいつもと違うな」と。高校球児のプレーや映像の角度ではない。画面の「景色」の違いである。

 その「違和感」の正体は"バックネット裏"にあった。今年からバックネット裏が少年野球チームを招待する「ドリームシート」となり、濃いグリーンの席に少年たちが整然と並ぶようになった。高校野球ファンなら、これが「一部の人間」を排除するために設けられたと想像するのが自然だろう。

 その「一部の人間」とは、これまで毎年バックネット裏でラガーシャツを着用して観戦する「ラガーさん」や、彼が所属する高校野球私設ファンクラブ「8号門クラブ」である。高校野球の「名物」として一時期チヤホヤされ、高校野球の書籍発表までしたラガーさんだったが、バックネット裏を同クラブで占拠するための"横暴"が昨年明らかにされていた。

 バックネット裏の席を確保するため、席取り禁止の注意アナウンスも無視して荷物を置く、先に座られた人間には立ち上がるまで恫喝する、一部女ファンのために席を確保するなどやりたい放題。行動は動画でネット上に氾濫し、「8号門クラブ排除」の署名活動も行われる始末。ラガーさんが作った高校野球のYouTubeチャンネルには誹謗中傷が大波のように押し寄せ、1日も経たずにコメント欄が閉鎖された。

 今年1月、日本高校野球連盟の竹中事務局長は「そこは関係なく、あくまでも子供たちのため」という理由で「ドリームシート」を設置した。だが、それを言葉通りに受け止める高校野球ファンは少ないに違いない。

 ネット上では「ドリームシート」設置当時「超絶朗報」「熱心に野球見ずに寝てたしな」「高野連もたまにはやるじゃん」「ラガーの色がチラチラ気になったからうれしい」など、かつての"名物"に対する未練などは毛頭ない様子だった。実際に大会の映像を見ても「ドリームシート」の見栄えは整然していて野球観戦に集中しやすいような印象を受けた。何から何までいいことづくめである。

「高校野球好き」を責める気は毛頭ないが、「8号門クラブ」の行為は"老害"といわれても仕方がないもの。「いい大人がみっともない」と多くの若者が思ったに違いない。彼らは自分たちの行為を「長くファンだから当然のこと」と、その行いに伴うリスクを微塵も考えなかったのだろう。簡単に情報が拡散する時代についていけなかった哀れさすら感じる。

 印象かもしれないが、選抜大会を見る限り甲子園球場が「フラットな環境」に戻ったような感覚を受けた。メリットは大きいはずだ。