「蓮舫批判」「村上ファンド」「潜水艦不要発言」……真相はいかに!?

片山さつき、ネットの噂・批判に反論する!

片山さつき議員
 混迷が続く永田町において、片山さつき議員といえば、郵政選挙で国政の場に登場した05年から、「生活保護費不正受給問題」の火付け役となった今年まで、常に注目を浴び続ける存在だった。それゆえに毀誉褒貶も激しく、本人いわく「雑誌やネットで事実と異なる情報がいまだ数多く流れている」状況だという。

 対して、そうしたネガティブ情報には、その真偽も含めて、積極的に反論や説明をする姿勢も見せている。そこで今回は、あの“ネット百科事典”にも掲載されている、片山議員に関する“定番”の批判や指摘について、本人の見解を聞いた。真実はどこにあるのか――。

――次長課長の河本準一の「生活保護費不正受給疑惑」は、片山議員の追及がきっかけで国民的議論となり、その背後にあった「受給者212万人以上、国家予算3.7兆円」という異常な状況に対しても、多くの国民が目を向けるきっかけとなりました。

片山さつき議員(以下、片山) 河本さんに関する問題で、テレビ番組では、私に批判的なコメントをする識者やタレントはいましたが、ネットや私に直接意見を寄せてくれる人たちの反応は、理解があるものばかりでした。河本さんの個人攻撃を目的としていなかったのは明らかなのに、テレビはそれを「河本叩き」に矮小化しようする人がいた。ただ、河本さんをかばっていた人は、ネットでは叩かれまくっていましたよ。それはそうでしょう。違反は違反なんですから。

 騒動の中、テレビで共演した人の中で、問題の本質を理解してくれていたのは(作家の)渡辺淳一さんくらいでした。生活保護というのは文化の問題で、文化社会学的な話なんです。日本に社会というものができてから、貧困問題と対峙してきた日本人は、一に家族、二に地域……という考え方で支え合ってきたんです。河本さんのように家族を切り捨てるような判断は、千数百年以上も社会を成立させてきた、この国らしさを失うことにつながるんです。

――そんなふうに、片山議員ほど、ものをはっきりいう政治家は少なくなっています。ただその分、「出る杭を打つ」がごとく反発する人もいるのか、事実と異なる片山議員の情報が流布されているそうですね。今回はそれに対して議員自身が反論や説明をしてくれるということなので、話を伺えればと思っています。

片山 私は本当のことしか言いません。雑誌でもネットでも、記事を書くのが誰であろうと、私に確認してくれればいいのに、それがされていない情報が独り歩きしています。聞いてくれれば、なんでも答えますよ。

――まず聞きたいのが「潜水艦削減」発言の真意です。片山議員は、財務省主計局主計官時代に、2005年(平成17年)度の予算編成において、「潜水艦は、冷戦構造を前提とした時代遅れの兵器である。増やす事など認めない」と語り、防衛庁(当時)から要求があった「そうりゅう型潜水艦」の整備を認めなかったとされています。現在のように領土・領海問題が深刻化する中、こうした認識はおかしかったという見方もあるようです。

片山 私もそうした記述をネットで見ました。ただし、私がしたとされる「潜水艦は時代遅れの兵器」という発言は捏造されたものです。その時、海上自衛隊と行った議論をはっきり覚えていますが、潜水艦については「従来のそうりゅう型ではなく、原子力潜水艦を考えたらどうか」というコメントを非公式にしたくらいで、「潜水艦の是非」についての議論はありませんでした。議論になったのは、潜水艦の艦年齢、つまり耐用年数が16年というのは、他国に比べて短く、その都度、補充していくのは血税の使い方としてはよくないと思うので、耐用年数を伸ばすことはできないのかというものです。

――1隻1200億円以上する潜水艦の耐用年数が16年というのは短いですね。先進国の軍隊では30年前後使用されるのが普通のようですが。なぜ、日本はそんなに短いのでしょうか?

片山 潜水艦を製造できる工場は国内に2ラインしかないですが、これらのどちらかは毎年稼働させていたいという思惑が防衛庁にはあるんでしょう。長年維持されている潜水艦の16隻体制を継続しつつ、製造ラインを常時稼働させ続けるには、毎年1隻を除籍させ、1隻を発注していく必要がある。そのために、16年という耐用年数が決まっているのではないかという批判は以前からあったんです。私は、ここを是正したいという気持ちはありましたが、潜水艦が持つ抑止力、情報収集、警戒監視の手段としての重要性自体を否定したことはありません。

 そして、何度も議論を繰り返した挙げ句、1隻減勢されることが決まっている以上、平成17年度予算でも1隻整備し、16隻体制を維持することが必要であるとし、前年度予算同様、そうりゅう型潜水艦の整備が決まっているんです。つまり、財務省の抵抗によって、「そうりゅう型潜水艦」の整備が認めらなかったという事実はないんです。

――確に少し調べれば、平成17年度予算によって、「そうりゅう型潜水艦」である「うんりゅう」が、平成17年度予算で発注されていることがわかります(同艦は平成22年より就役)。なぜ、こうしたデマが流布してしまったんでしょうか。

片山 まったくわかりません。一部では、平成17年度に海上自衛隊が潜水艦と並んで予算要求してきたヘリコプター搭載型護衛艦については、同年度の整備を取りやめたんですが、このことで海上自衛隊と摩擦が生まれて、その時の関係者が嫌がらせで行なっているんじゃないかなどと言われました。ただし、これも的外れな指摘で、護衛艦の整備取り止めは、海上自衛隊が自ら提案してきたものです。

 その理由も、現行の護衛艦「ひえい」の除籍を1年先送りにするので、平成17年度は「ひえい」を代替更新するための護衛艦の調達は行わないですむ、というものでした。海上自衛隊は、ミサイル防衛のための費用がかさむことを見込んで、旧来型装備を削ることに対しては非常に合理的な考えをしていましたね。しかも、その時の海上自衛隊のカウンターパートナーだった海上幕僚監部の防衛課長は、退官後、民間で活動した後、私の政策秘書を1年以上務めました。予算をめぐって、そんな対立があったとしたら、私の秘書なんてやりませんよ。

06年のパーティ券購入騒動

――片山議員批判の材料としては、いまだに2006年12月に起こった、衆議院経済産業委員会での官製談合防止法改正案採決を無断欠席したことが取りざたされることがあります。当時は「小泉チルドレン」として注目が高かっただけに、メディアでは大きく取り上げられました。

片山 これは私のミスですから、批判されて当然のことでした。広報局長としての党務で、マスコミからの電話に対応するために議場から離れていて、その間の数分の間に採決が終わってしまったんです。議員の本分をないがしろにする結果になったのですから、党からの処分は厳粛に受け止めました。この処分で一時は、経済産業委員会を外されましたが、翌年1月の通常国会からは復帰させてもらっています。

――同じ年にヤマハ発動機にパーティ券を売っていたことも取りざたされました。当時、経産省は、軍事転用可能な無人ヘリコプターを中国に不正輸出しようとした外為法違反の疑いで同社を刑事告発していましたが、片山議員はこの時期、経済産業大臣政務官でした。ヤマハ発動機が、片山議員のパーティ券を20万円分買ったのは、なんらかの便宜を期待したものではとの裏読みも囁かれましたが。

片山 ヤマハ発動機は私に限らず、地元議員の自民党議員に対して、そのような協力を継続的にしてきた企業です。私の秘書に個人的なつながりがあったので、同社にパーティ券購入を依頼したわけで、私自身は関知していませんでした。もちろん、経産省の告発とは一切関係がありません。この問題も、逮捕された元執行役員3人は不起訴処分で、刑事責任は追及できないという判断が下っています。法人は社員への監督責任を問われて略式命令が下っていますが、そもそも、経産省の告発理由は、ヤマハ発動機が中国に輸出した無人ヘリコプターが軍事転用可能であったことから、「輸出規制を違反した」というものでした。

 ただし、企業側に輸出先での軍事転用可能性にまで注意義務を課すのは無理があるという意見は、当時からあったんです。ヤマハ発動機の実際の意図は不明ですが、取り締まる側の恣意性に左右されるこうした規制のあり方には疑問が残ります。役所のさじ加減で摘発するかしないかを決められるようでは、国際的な企業活動を萎縮させ、国益を損なうことに繋がるからです。

「村上ファンドに出資」というデマも……

――悪い話ばかり聞きますが、2006年に代表が逮捕された「村上ファンド」に出資した政治家として、名前が取りざたされたことがありました。これは当時、一部で出回っていたとされる「投資家リスト」で名前が挙がっていた、31人の政財界人の中に片山議員の名前があったというものだったと思います。

片山 あのリストは怪文書みたいなもの。それを真に受けて取り上げた雑誌があったんですが、私は村上ファンドの村上世彰氏とは付き合いもないし、ファンドの存在自体、ニュースで騒がれるまでは知らなかったくらいです。同学年の元官僚ということで結びつけられたのかもしれませんが、私は大蔵省へ82年に入省、村上氏は通産省に83年に入省していて、接点もない。リストを掲載した雑誌にも抗議したことはあるのですが、ネット上には「投資家リストに名前があった」という記述だけが残ってしまう。非常に困っています。

 そういえば、私が蓮舫議員の国会議事堂内での撮影問題を批判した件についても、本質からズレた書き込みがされていました。これも事実が伝わっていません。

――2010年に、行政刷新担当大臣だった蓮舫議員が国会内でファッション誌の撮影を行なっていたという問題ですね。参議院内での「私的な宣伝や営利目的に当たる行為」は許されていないのに、国会内で撮影された蓮舫議員のファッション写真には、衣装のブラン名や価格がクレジットされていた。この行為が不適切とされ、蓮舫議員は激しい批判を浴びました。ネットに残っている記述だと、これに対して片山議員は「事業仕分けで数十万円の商店街対策を切られ泣いている人が全国にいる。仕分けをした方が1着百数十万円のドレスを取っ換え引っ換えしているのを知ったら心中察してあまりある」と批判したとされています。

片山 そもそも、私は事業仕分けには反対で、国益を損なう素人議論だと変えていたんです。政治というのは国がやるべきことに優先順位をつけていく作業なのに、民主党政権はそれを民間に丸投げした。そして、その仕分け結果を錦の御旗に、国会の予算審議をオーバーライドしていこうという。予算づくりは、国民から直接選ばれた国会議員の最重要任務のひとつですよ。それを放棄するような政策に強い違和感を持っていました。

 私は個人商店などの中小事業主に寄り添うこともモットーにしていますが、事業仕分けでは、商店街が集客のためにやるイベントなどをサポートする基金の予算も削られることがありました。民主党議員は、そうした予算の必要性を自分の足を使って確かめもせずに、他人任せで削っていったんです。何のために、国民を代表しているんでしょうか。そんな折に蓮舫議員の撮影問題が起きたので「もっと国民目線をもって」という意味で、あのようなコメントをしたんです。

――一方で、片山議員に対しても「過去に国会内でファッション雑誌の写真撮影に応じていた」という指摘もありました。

片山 これはルールの問題で、蓮舫議員は参議院内で認められていない私的な活動のための撮影をしたんです。私の場合は当時衆議院議員で、衆議院ではそうした撮影も認められていた。衆議院と参議院は規則が違っていて、衆議院では、議員個人が院内でバラエティ番組のインタビューに答えていることはよくありますよ。実際に私の時は、衆議院から許可も出ていて、誰からも注意されていませんし、参議院になってからは、そういう撮影はしていません。そもそも私が現役閣僚だったら、あんなことはやりませんよ。

――片山議員に限らず、政治家には雑誌やネット上などで事実と異なったり、不完全だったりする情報が出まわることがあると思います。こうした状況に対して、どのように対処していこうと考えていますか?

片山 事実に反する記述がなくなるに越したことはありませんが、これは無理でしょうから、地道に自分自身の口で本当のことを説明していくしかないと思います。今はブログやツイッターがありますし、国民の疑問にも直接答えられる。正しい片山さつきを知ってもらうために、多くの人にツイッターやブログ、ホームページを通じて、私の考えや政策を理解してもらいたいです。まずは、ツイッターをフォローしてみてほしいですし、意見や質問があれば、どんどん寄せてほしいと思っています。

● 片山さつき(かたやま・さつき)
参議院議員。参議院副幹事長。”影の内閣”経済産業副大臣。東京大学法学部卒業後、大蔵省に入省。女性で初めて、主計局主計官に就任する。2005年、自民党公認で衆議院総選挙に出馬し、当選。09年、同選挙に出馬し落選するも、翌10年の参議院議員通常選挙に比例区から出馬し、党内最多得票で当選。
http://www.satsuki-katayama.com/
https://twitter.com/katayama_s/

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