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家電量販店各社のポイントカード
まず、ポイントサービスについて。最も誤解されている点は、「ポイント還元」と「値引き」は違う、ということだ。例えば、10万円で10%ポイント還元の商品を買うと、ポイントは1万円分付いてくる。この時点で、なんとなく1割引されたと思ってしまうが、実は違う。そのポイントで1万円の商品を購入した場合、結果的には11万円の商品を10万円で購入したことになり、これを値引率として考えると約9.1%にしかならない(下記の計算式①参照)。
※ポイントの計算式①…10万円の10%ポイント還元商品の本当の値引率
・商品購入で得た1万円分(10万円×10%)のポイントで、1万円の商品を購入。 ↓
・出費は10万円。購入商品の合計額は11万円。
(11万円-10万円)÷11万円=約9.1%⇒本当の値引率
10%だと大した違いはないようだが、これが20%ポイント還元だと実際の値引率は約16.7%となる。また、もし100%ポイント還元という商品があったとしても、値引率で換算すると50%でしかない。還元率が高くなればなるほど、見掛けの数字から受ける”お得感”と、実質的な”お得度”のギャップは広がっていくのである。この仕組みを理解した上で、ポイント還元後の価格と現金価格との比較をすることが大事なのだ。
この家電量販店のポイントサービスを金融的に考えてみると、「店舗に利息の付かないお金を預けている状態」ということができる。したがって、獲得したポイントは、すぐに別の買い物で使いきってしまう方が、使い忘れも防げるため良いのだが、話はそう単純ではない。