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スカイマーク、苦境の予兆・ミニスカ機騒動で露呈したずさんな就航計画と、資金繰り不安

文=田沢良彦/経済ジャーナリスト
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 加えて、スカイマークは寄航地である福岡空港に整備士を配置していないため、パイロットも客室乗務員も特殊な訓練をする必要があったが、「これらの訓練も修了していなかった。これでは国交省も事業認可をしたくてもできなかったのだろう」。

 ある航空評論家は「運航開始日ありきの経営姿勢が、パイロット不足などの準備不足を招き、運航開始日の度重なる延期をもたらした」と指摘する。

 航空業界関係者も「悪天候による突然の欠航ならいざ知らず、あらゆる事態を想定して決定すべき運航開始日を安易な見込みで決めている。このため何度も就航延期を重ね、その度に運賃払い戻しをするなど、利用客に迷惑もかけている。航空会社の体を成していない」と厳しい。

 A330のずさんな就航計画と符丁を合わせるかのように、スカイマークの業績も急降下している。同社が7月31日に発表した14年4~6月期単独決算は、最終赤字が57億円(前年同期は12億円の赤字)に沈み、今後、エアバスへの違約金を「相当額負担せざるを得ない可能性がある」として、事業継続に「重要な疑義」があると開示した。

●市場でくすぶる資金繰り不安

 この悪環境の中で、すでにA330のリース料支払いが始まっている。A330のリース料は同社が現在運航中のB737の約2倍。しかも、A330は運行開始延期で収入ゼロの期間が発生し、かき入れ時であるゴールデンウィークも逃してしまった。このため、「スカイマークの資金繰りは、今期(15年3月期)かなり苦しくなる」と予測する証券アナリストが多い。なぜなら、A330に加え、国際線への導入を予定している世界最大の旅客機A380のリース料支払いも始まるからだ。14年度だけで約400億円の支払いが発生すると見られている。

 証券アナリストの一人は「どこで借り入れるにせよ、もし資金繰りが不調に終わればたちどころに経営危機が襲ってくる。今の同社の経営は極めて不安定」と分析する。さらに、市場関係者の間には「それを見越して、複数の大手航空と米投資ファンドがスカイマーク買収の準備を始めた」との情報まで流れている。

「ミニスカ機で一気に成長エンジンを噴かし、その勢いで国際線進出に打って出る」という奇策が裏目に出てしまわないか。スカイマークは早くも正念場を迎えている。
(文=田沢良彦/経済ジャーナリスト)

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