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学習できないドコモ、巨額海外投資で4度目の撤退 印進出も秒殺 国際戦略が完全に頓挫

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 00年に4090億円を投資したオランダのKPNモバイル、1860億円を投資した英国のハチソン3G、01年に1兆2000億円を投資した米国のAT&Tワイヤレスの海外事業はことごとく失敗。合計で約1兆5000億円の損失を計上し、05年までにすべて撤退している。当然のごとく、当時の株式市場関係者の間から「同じ過ちを繰り返すのか」との懸念の声が上がった。

 その懸念は、間もなく現実のものとなった。

 当時のインド携帯電話市場は世界最速のペースで拡大しており、加入者は毎月800万人規模で増加していた。加入者総数は3億人あまりで、タタ加入者は約2900万人。ドコモが出資した時のタタは加入者数で業界6位、加入者数シェアで7.0%に位置していた。米調査会社ガートナーも「12年には加入者数が08年の倍以上の7億4000万人に達する可能性もある」と予測、インド市場の成長に期待を寄せていた。

 しかし、市場の成長性と収益性は別だ。インドの携帯電話加入者は低価格志向で、プリペイド式携帯電話の利用が大半。この加入者層に対して熾烈な獲得競争が展開され、頻繁なキャリア(携帯電話会社)乗り換え、巨額広告費、1分2セント以下という世界最安の通話料、ARPU(1契約当たりの月間平均収入)低下などの背景になっていた。通信業界関係者は「例えばARPUは09年頃に200ルピー超だったが、14年春先は116ルピーと半値近くまで下がった」と言う。タタの業績も内情は赤字続きだった。

 そんなインド携帯電話市場にドコモは進出した。収益に貢献しないタタがお荷物になっていたタタ・グループにとっても、ドコモの巨額出資は渡りに船だったに違いない。

●「世界で最も厳しい」市場環境


 タタへの出資手続きを完了し、09年3月に現地で「TATA DOCOMO」の看板を掲げたドコモは「インドでは挑戦者だから、攻撃的な営業が必要だ」とタタの尻を叩いた。当時のインドでは分単位の課金が一般的だったが、タタはそこへ秒単位課金の新料金プランを導入、値下げ競争を再燃させた。先制攻撃のせいで一時は加入者数を業界6位から4位まで浮上させたが、上位キャリアも秒単位課金を導入して反撃すると、たちまち苦戦。14年12月現在は加入者数が業界7位に転落した。

 それにも増してドコモが甘く見ていたのが、「世界で最も厳しい」といわれる市場環境だった。バルティ・エアテル、ボーダフォン・エッサーの2強をはじめ20社近くのキャリアが僅差のシェアで群雄割拠し、激しい値下げ競争を繰り広げている。携帯電話加入者は増加の一途だが、「3位以下は利益が出せない市場環境」(通信業界関係者)といわれている。

 こうした市場環境の背景には、インド政府の通信政策がある。インド国内の携帯電話サービスは「サークル」と呼ばれる23地域に分割されており、サークルごとに周波数割当免許を取らなければならない。しかもインド政府が「競争維持のため1サークル当たり3社以上のキャリア参入を通信行政の基準」(同)にしている。これがキャリアの事業規模拡大を困難にし、群雄割拠を固定化する原因といわれている。

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