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相続トラブル、どう回避?少額遺産、仲良し家族でも要注意 争いが起こりやすい3パターン

文=大竹のり子/CFP、株式会社エフピーウーマン代表取締役
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 2つ目のパターンは、「相続人のうち特定の1人だけが被相続人の面倒をみていた」というケースだ。親の介護を一手に担っていた場合などは、貢献に見合うだけ取り分を多くしてほしいとの思いが働くだろう。長男の妻が1人で義母の介護をしていた場合でも、妻には相続権がないので、長男の取り分を多くすることが解決策となるが、親の遺言書ではっきりとした指示がなく、ほかのきょうだいが了承しなかった場合はトラブルになりがちだ。きょうだいからすれば、「介護をしたくても遠方に住んでいてできなかった」などの主張もあるからだ。

 3つ目のパターンとして、身内以外の思わぬところから遺産分割を求められ、トラブルになることがある。例えば、被相続人の前妻との間にも子どもがいる場合、その子どもにも相続を受ける正当な権利がある。どちらも自分に有利になるよう権利を主張し、折り合いがつかなくなり、裁判沙汰に発展するということも珍しくない。また、被相続人が遺言を残しており、「生前介護施設でお世話になった職員のAさんに遺産を分けたい」など、他人への贈与を指示している場合もある。贈与の額として、「お世話になったので10万円」といった程度であれば特に問題はないだろうが、「財産の半分」「土地のすべて」などの遺言があった場合は、受け入れがたいものだ。

生前から話し合い、早めの対策が重要

 このような相続問題を避けるためには、被相続人の生前に関係者全員で取り分の話し合いをして、必要に応じて遺言書を書いてもらうことが望ましい。また、親の資産を把握しておくのが大前提ともいえる。多くの家計を見ていると、どの金融機関にいくら預けてあるのか、家族がまったく知らないということも珍しくないが、親が認知症を発症したり、突然亡くなった場合では資産や借金の把握ができていないことも多く、通帳などの保管場所もわからないという状況では相続の手間が数倍になりトラブルも起きやすい。銀行に問い合わせをしようものなら、口座名義人が死亡したことを知った銀行側は、その口座を凍結するので、親の口座から葬儀代などを出そうと思っていた場合には面倒なことになる。

 相続はデリケートな問題であるため、生前に話し合いをするのはためらわれがちだが、後々泥沼の争いにならぬよう、事前の対策を講じておきたい。
(文=大竹のり子/CFP、株式会社エフピーウーマン代表取締役)

●大竹のり子 株式会社エフピーウーマン代表取締役、ファイナンシャルプランナー(CFP)
 出版社の編集者を経て2005年4月に、女性のためのお金の総合クリニック「エフピーウーマン」を設立。現在、雑誌、講演、テレビ・ラジオ出演など多くのメディアを通じて女性が正しいお金の知識を学ぶことの大切さを伝えている。『マネーセンスを磨けば、夢は必ずかなう!』(東洋経済新報社)、『老後に破産しないお金の話』(成美堂出版)など、お金の分野での著書は40冊以上に及ぶ。一般社団法人金融学習協会理事。

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