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大西宏「コア・コンセプトのビジネス学」

アップル、繁栄終焉の兆候…アマゾン、ネット通販企業の枠出て「アップル超え」目前

文=大西宏/ビジネスラボ代表取締役
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 気がつくと、アップルの次の時代の成長を支える事業が見当たらないのです。スマートフォンを成長エンジンにしようとするとシェアをとっていかなければならず、かなりの無理が生じます。実際15年10~12月決算で、売上高が前年同期の1.7%増、iPhoneも販売台数が7,500万台で、前年同期比0.4%増にとどまり、07年の初代の発売以来、最も低い伸び率でした。

 アップルにとって次の時代を支える事業として考えられるもののひとつに、電気自動車が挙げられます。「Project Titan」の名の下に、すくなくとも600名のエンジニアを採用して開発体制を整えているのは公然の秘密で、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によれば、19年の出荷を目指して開発を加速させているともいわれています。

 しかし、Apple Carはまだ姿を見せておらず、海のものとも山のものともわかりません。自動車でも、現在のように製造をアウトソーシングできるのか、サービス体制はどうするのかといった疑問もあるでしょうし、またグーグルのGoogle Carが、米カリフォルニア州が発表した自動走行車に関するガイドラインで、運転資格のある人が乗って運転できる状態でなければならないとされ、ゼロからの計画見直しが迫られたように、イノベーションを持ち込もうとしても、思わぬ落とし穴がないとも限りません。自動車のOSで優位なポジションを獲得するといっても、何で収益を得るのかも不透明です。

アマゾン、「成長はしても利益がでない企業」から脱皮

 そんななかで今、勢いづき始めた企業といえば、なんといってもアマゾン・ドット・コムかもしれません。アマゾンといえばインターネット通販企業のイメージが強いです。ビジネスモデルが異なるので単純には比較できませんが、流通総額ではすでに中国のアリババに抜かれています。

 これまでアマゾンは1995年のサービス開始以来売上を伸ばしてきたものの、営業利益率でみればピークは04年の6%強で、その後は営業利益率が低下し続けてきました。そして、12年は大規模な物流投資を行ったために赤字を計上。また、14年もスマートフォン事業の失敗が響いて2億4,100万ドルの赤字決算となります。成長は持続するものの利益がでない企業、それがアマゾンでした。

 ところが15年の第1四半期決算報告から、アマゾンは06年にスタートさせたAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)事業の業績を初めて発表します。

 それは、アマゾンへの市場の評価を一変させます。株価と時価総額のランキングも上昇し、15年1月には36位だったのが、11月、12月は6位にまでランクアップします。それだけ市場から注目され評価されたのです。

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