消費者が企業活動に抱く疑問を考察するサイト ビジネスジャーナル ⁄ Business Journal
「事務所に黙ってちょっとだけやるヤツとか、報告してやるヤツもいたけど、俺は普通にバンバンやってた。初めのほうこそ怒られてたけど、大体は目をつぶってくれてたからね。俺としてもそのほうが儲かるし、相手(クライアント)も払いが安くなるから喜ぶんですよ。たとえば、事務所を通してギャラが100万だった場合、折半するとして俺の取り分は50万じゃない。事務所を通さなければ、掲示したギャラ80万がそのまま俺に入ってくるし、相手の支払いも安くなると。これを続けているうちに、どんどん声が掛かるようになっていった」
営業先はパチンコ店から知人の結婚式、各企業の忘年会と引く手あまたで、さらには芸能人脈を駆使したブッキングもお手のものだったという。
「最初に始めたきっかけは、友だちの紹介だった。売れてくると裏営業のコーディネーターみたいなヤツがわんさか近づいてくるんだよ。忙しい期間は当然できないけど、スケジュールが落ち着いてきた頃から始めて。営業といえばパチンコが有名だけど、IT企業や建設会社の忘年会なんてのもオイシイ営業先だな。俺がデビューした時はそこまでうるさくなかったし、“組関係”の忘年会に行ってるヤツも多かった」
独立へ
自分だけでなく他芸能人のショクナイにも協力的だった鼠先輩だったが、芸映とは何度か話し合いを行い、最終的に独立というかたちを取るに至った。
「こうやってショクナイを続けてると、事務所が提示するスケジュールに対応できなくなってきて、不審がられるんだ。それで芸映とは途中から業務提携ってかたちになってた。極論だけど、今は提携してくれる事務所が100社あれば、100社全部と業務提携したいと思ってる」
通常、企業では社員の副業を禁止する規定があるため、個人が所属する企業を介さずに直接仕事を請け負うと問題となる場合が多い。しかし、芸能界では広く行われているという。
「事務所だってある程度はわかってて、大目に見てくれるところも多いもんだよ。ひどいところになると、マネジャーまで裏営業に乗っかって、事務所に黙って自分で(ギャラを)抜いちゃうくらいなんだから。ショクナイはキックバックの宝庫で、タレントと営業先だけじゃなく、その間のマネジャーやコーディネーター、さらには照明とか音声さんまで参加して、みんなでちょっとずつギャラを抜いてるくらいだから(笑)」
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