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トヨタとマツダ、深まる亀裂…トヨタ、傷付けられたプライド

文=河村靖史/ジャーナリスト
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マツダがブランド戦略で成功したこともあって、マツダのクルマづくりが優れており、トヨタがその技術を学ぶために提携したとの報道が多い。そのため、トヨタ側はプライドを傷つけられ、提携内容を詰める上で両社の大きな溝になっている」(全国紙の自動車担当記者)

 マツダの小飼雅道社長は「(トヨタとの)話は確実に進んでいる。どういうことをやるのか、両社の利益が得られるのか、どういうリソースをかけられるのかを検討している。心配していない」と、提携の中身についての検討は進んでいるとしている。今回のピックアップトラックのOEM供給を、トヨタでなくいすずとしたことについても、「モデルチェンジなどのタイミングが(トヨタとは)合わなかっただけ」と説明する。

「冷めた関係」

 マツダがいすずからピックアップトラックのOEM供給を受けることを発表してから11日後、今度はいすずとGMが14年9月に合意していた次世代ピックアップトラックの共同開発を取りやめると発表した。いすずによれば、開発の方向性が異なることなどから共同開発は取りやめ、いすずは単独で開発することになった。

 いすずがGMの頭を飛び越してマツダとピックアップトラック事業での提携で合意したことが、「共同開発から撤退を決断した原因では」と指摘する声がある。いすずは、「(GMは)長年にわたり、グローバル事業を展開する上で必要不可欠なパートナー」としているが、両者の関係に亀裂が入ったとの見方もある。

 いすずがGMと06年に資本提携を解消した後、トヨタはいすずと資本・業務提携を締結した。この時、トヨタグループの商用車メーカーである日野自動車を含めてシナジー効果を追求すると宣言した。しかし、トヨタグループといすずの提携は一向に進まず、現在、いすずにとってトヨタは単なる大株主にすぎない「冷めた関係」だ。このため、いすずは業績が回復したGMと資本提携こそ結んでいないものの、事業ごとで連携する業務提携で復縁してきた。

 新たな業界再編の軸になる可能性があるとして、華々しく業務提携を公表したトヨタとマツダ、そして関係を戻してきたいすずとGM。今回のピックアップトラックをめぐる動きは、業界勢力図に微妙な影を落とすことになった。
(文=河村靖史/ジャーナリスト)

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