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韓国海運大手破綻で、世界中の海上に大量船舶漂流…前会長が9億円退職金で一斉バッシング

文=編集部
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 CKYHEアライアンスには川崎汽船韓進海運、COSCO(中国)、陽明海運(台湾)、エバーグリーン(台湾)の5社が加盟し、アジア・北米間の東西航路で協調配船をしている。契約している貨物の総額は1兆4000億円程度とされる。これら海運会社は、貨物の引き渡しが滞るなど韓進海運倒産の甚大な影響を被っている。これ以上、物流の停滞が長引けば、サプライチェーン(供給網)に支障が出るトラブルが発生する。

来年4月に発足する新アライアンスが出足から躓く

 歴史的な海運市況の低迷を受けて、海運業界の再編が加速した。最大の需要国である中国の成長鈍化と、2012年に海運市況や船価が底に達したと見た投機資金が、造船市場に流入したことによる船腹の過剰が響き、海運市況は永らく低迷した。

 コンテナ船の運賃は09年3月期を100とした指数で、16年3月期の北米航路が85、欧州航路は52まで低下した。

 生き残りをかけ、グローバル規模の再編が進んだ。そして17年4月、コンテナ船の新アライアンス「ザ・アライアンス」が発足することになった。日本郵船、商船三井、川崎汽船、韓進海運、陽明海運、ハパックロイド(独)の6社が、アジアと北米、欧州を結ぶ東西航路のコンテナ船の共同運航を始めることになっていた。

 コンテナ船のアライアンスは現在4つあるが、これによって3つに集約されるはずだった。コンテナ船の世界首位のA.P.モラー・マースク(デンマーク)と2位のMSC(スイス)が組んだ2M。船腹量のシェアは27.3%になる。

 3位のCMA CGM(フランス)を軸とするオーシャンアライアンスのシェアは23.5%。新しく発足するはずのザ・アライアンスのシェアは18%で3番手になる。コンテナ船8位の韓進海運が経営破綻し、ザ・アライアンスは出足から躓いた。

韓進海運の“女帝”

 韓進海運は1977年に、韓進財閥創業者の趙重勲氏がコンテナ専用船会社として設立。大韓航空を軌道に乗せた趙重勲氏は、朴正熙大統領の勧めで海運業に参入した。02年に趙重勲氏が死去した後、韓進海運は三男の趙秀鎬会長が継いだ。

 しかし、趙秀鎬氏が06年に亡くなると、夫人の崔恩瑛氏が、いきなり後継会長に就いた。韓国メディアによると、崔恩瑛氏はロッテグループ創業者の重光武雄(日本名)氏の妹の娘で、日本の聖心女子大学を卒業し、趙秀鎬氏に嫁いだのだという。彼女は経営に介入し、韓進海運の“女帝”と呼ばれた。

 08年のリーマン・ショック後、世界の海運業は長期不況に突入した。11年以降、3年続けて900億円を超す赤字を計上して経営が悪化した。

BusinessJournal編集部

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