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鈴木領一(すずりょう)のビジネスの超ヒント!

太陽光発電ブーム即終了で倒産の嵐、元凶は国の制度ミス…なぜアマゾンやFBが巨大風力発電所建設?

文=鈴木領一/ビジネス・コーチ、ビジネス・プロデューサー

 ゴア氏は、06年公開の映画『不都合な真実』(UIP)で、二酸化炭素(CO2)などの温暖化物質によって地球温暖化が急速に進むことを警告し、その後に続くCO2削減の国際的な流れをつくったが、同氏が主張する内容には科学的根拠がないなどの批判もあり、現在でも賛否両論に分かれる。

 しかし、TEDで同氏が発表したことは、今世界で起きている再生可能エネルギーのリアルな現状だった。

 ゴア氏によれば、2000年時点の予想では10年までに風力発電が年間30ギガワット(GW)になると予測していたが、実際にはその14.5倍に達しているという。太陽光発電に関しては、02年時点では、10年になると年1GWの増加ペースになると予想したが、実際は今年その68倍になるという。

 再生可能エネルギーの普及は、あらゆる専門家の予想をはるかに上回る規模で進行しており、さらに加速的に普及が進むだろうとゴア氏は予測する。同氏はこれを携帯電話にたとえて説明する。
 
「1980年にコンサルティング会社が、2000年に携帯電話が何台売れるかを調査した。綿密な分析によって出した答えは90万台だった。実際はどうだっただろうか。確かに90万台売れた。しかもたった3日で。結局、予測の120倍も売れた。今では世界人口より多い携帯電話が普及している」(ゴア氏)

「携帯電話が普及した理由のひとつが、送電インフラが整っていなかった発展途上国での普及だった。この携帯電話と同じ現象が、電力の世界でも起こっている。送電網が普及していないバングラデシュでは、電気が通っていない家が多数あるにもかかわらず、今なんと1分間に2機のペースで自宅用の太陽光発電が普及している。発展途上国では、再生可能エネルギーが爆発的に普及する可能性がある」(同)

 国際エネルギー機関(IEA)も、太陽光発電のコスト低下によって、今世紀半ばまでに太陽光が世界中の電力の4分の1をまかなう最大の電力源になり得ると予測している。

日本国内では倒産企業続出

 再生可能エネルギーは抗しがたいほどの世界的な大トレンドとなっているが、日本国内ではどうだろうか。

 12年7月に始まった「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」(FIT制度)によって、再生可能エネルギーへの民間投資が活発化した。国が電力の買取価格を20年保証するという同制度によって、新規参入する企業は事業リスクを減らすことができた。いわば、日本における「再生可能エネルギー元年」といってもいいだろう。

鈴木領一/コンサルタント

鈴木領一/コンサルタント

 思考力研究所所長。行政機関や上場企業の事業アドバイスをはじめ目標達成のためのコーチングも行っている。プレジデント誌などビジネスメディアへの記事寄稿多数。また100の結果を引き寄せる1%アクション(サイゾー刊)は、氏のコーチングメソッドを初公開した書籍で、主婦から経営者まで幅広い層に支持されロングセラーとなっている。また、出版プロデュースの活動も行い、代表作には小保方晴子氏の『あの日』(講談社刊)がある。

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