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特別企画・『賢者の選択 Leaders』アーカイブス vol.1

元LINE社長・森川亮が挑む新メディア「C Channel」の革新性はどこに? 異端の経営哲学「ビジョンは不要」とは?

『賢者の選択 Leaders』2015月10月5日放送より/構成=編集部
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■LINEの成功は、iモードがあった日本だからこそ

元LINE社長・森川亮が挑む新メディア「C Channel」の革新性はどこに?  異端の経営哲学「ビジョンは不要」とは?の画像3日本発の世界的サービスになったLINE(画像は同サービスHPより)。

(ナレーション) その後、森川はハンゲーム・ジャパン、現在のLINE株式会社に転職。そこでコミュニケーションアプリ「LINE」を開発した。

白石 このLINEが支持された理由っていうのは、どんなところにありますか?

森川 いくつかあるんですけど、1つはスマートフォンでメールが非常に使いにくかったと。それを簡単にして、ショートコミュニケーションを取れるようにしたっていうことが1つと。あとは言葉もそうですけど、言葉じゃないスタンプというものを使って、より感情のやり取りができると。

白石 そうですよね。

森川 というのも大きいかなと。最後はTwitterとかFacebookだと、どうしてもオープンになってしまうんですけど、LINEの場合はクローズドで、シェアする機能もないですし、本当に自分の身近な人と大事な話ができるということも重要かなと思いますね。

白石 松田さんもLINEは使ってらっしゃるとお聞きしました。

松田 私もLINEは使っております。一番最初に実はお話ししたときは、「いや、実はすいません、使ってません」と(笑)。

森川 本当につい最近なんですよ。それまでは、SNSでやり取りしてたんですね。

松田 そうなんです。失礼ですよね。LINEの社長に対して「すいません。LINEやってないんでSNSでいきましょう」と。

森川 やっぱり政治家の方はいろいろ、なんか「怖い」っていう人もいらっしゃるので。

松田 いやいや。今はもうだいぶ活用させていただいてますので。

森川 そうですか。ありがとうございます。

松田 LINEっていうのは、実は日本で生まれたっていうことをあまり知られてなかったりもするんですよね。

森川 はい。

松田 最近はだいぶ知られましたけども。当時は「アメリカからなんじゃないか」とか、そういうイメージがあったと思うんですが。日本でこうやって開発された強みっていうのはどこにあるんですか?

森川 まず僕自身は、日本というのは非常にデザインの能力が高く、過去にもシンプルで分かりやすい、でもすごく何か落ち着きのあるような、そういったものをつくるのが強いと思うんですよね。今回LINEに関しても、単純にメッセージを技術的に送るということではなくて、送る中に何かシンプルなデザイン性とか、そこにおける気持ち良さみたいなもの、そういうものをきちっと埋め込んだところはやはり日本的な考え方かなと思いますね。

松田 なるほどですね。

森川 もうひとつは、モバイルのインターネットって実は日本が一番進んでたんですよね。iモードで培った。

松田 なるほど。

森川 そういったものがスマートフォンに絶対置き換えられるという確信があって、それでそういうことが分かる人が集まって作ったということなんですね。

松田 なるほどですね。日本人はどうしても真似をするのが上手い、もしくはそのハードウェア、それをしっかりと作り込むのが上手い。しかし、「ソフトのほうが弱い」「イノベーティブではない」というふうに言われるじゃないですか。そこら辺はどうなんですかね?

森川 そうですね。たぶんひとつは言語の問題が当然あると思います。最初から日本人だけをターゲットにすると、小さな範囲のターゲットになるので、どうしても考え方も小さくなっちゃうと思いますね。あとは日本人ってすごく細かいので、細かいところを作り込む一方で、セキュリティーがどうとか、リテラシーが高い人も多いので、説明が細かくなっちゃうんですよね。でも海外だとそんなことよりも早く使いたいってことになるので、最初からやっぱり海外を狙ってものをつくれば、絶対成功できると思いますね。

松田 最初から海外を狙う。

森川 そうです。LINEも最初から英語版を同時に出したんですよね。

松田 なるほど。

森川 そういうことによって中東でブレイクして、それからシルクロードをさかのぼるようにアジアで火がついていったんですね。

松田 なるほど。シルクロードをさかのぼってくる。

白石 そこからというのは初めて聞きました。

松田 驚きでした。

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白石 LINEの開発はいろいろと森川さん主導で行われたんですか?

森川 当時もう社員数が2000人ぐらいいましたから、僕はどちらかというとトップとしていまして、スマートフォンのコミュニケーションというところだけは決めて、そこからあとは現場でいろんなものを作って出して、作って出してということをやりましたね。やっぱり僕自身が当時もう46歳ぐらいですから。おじさんが考えるよりは、やっぱり若くてスマートフォンをいつもいじってる人たちが若い人向けに作ったほうが、当然のことながら気持ちも分かりますし、使い勝手も分かるし、スピードも速いですよね。いちいち上に確認しないでそのまま、サッカーでドリブルしてシュートをするもんですから、そういう形でスピード速くやってましたね。

松田 現場の判断に任せるっていうところもあるわけですよね。

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