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JR北海道、経営危機でJR東日本と合併論浮上…資金枯渇直前で路線維持困難に

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 JR北海道の17年3月期の連結売上高は前期比1%減の1695億円。18期連続の営業赤字となり、赤字幅は過去最大の440億円に拡大する見通しだ。16年9月末の手元資金(単体)は68億円にすぎず、資金が底をつく寸前の状態である。このままでは安全対策費や路線の維持費を捻出できない。そこで路線そのものにメスを入れることにしたのだ。

 JR北海道の鉄道事業見直しについて議論する北海道の有識者会議は1月30日、報告書を公表した。報告書では道内鉄道網を6つに分類し、札幌市と中核都市をつなぐ路線は「引き続き持続されるべき」と明記。そのほかは踏み込んだ表現を避け、地域ごとの協議に結論を委ねた。

 報告書は国によるJR北海道への支援強化の必要性を強調した。この報告書に国土交通省は「国に責任を押しつけるのは乱暴だ」と猛反発した。資金を誰が出すかで、北海道と国が真っ向から対立した。

“学校秀才”が考えた国鉄分割

 国鉄分割・民営化を主導した人たちはJR北海道をどう見ているのか。国鉄の分割・民営化の立役者で「国鉄改革3人組」のひとりであるJR東海の葛西敬之代表取締役名誉会長は、「日経ビジネス」(日経BP/17年3月6日号)の「民営化30年 JR 思考停止経営からの決別」の特集の中でインタビューに答えて、JR北海道の経営に厳しい評価を下した。

「JR四国は仕方がない面がありますが、JR北海道は30年間を本当に有効に使ったかを検証してみるべきです。JR北海道は借金ゼロの上に、6822億円の経営安定基金を持ってスタートしました。金利が下がったから稼げなくなったというだけでなく、もっとファンダメンタルな経営戦略で問題はなかったのでしょうか。

 大きな事故が起きてしまう前までに、設備を食いつぶしたようにも見えます。もっと早く手を打っていくことで事故を起こさずに、よりいい形がとれたかもしれない。どうにもならない路線は、トラブルが起こる前に早めに道路へ転換する努力をする余地があったかもしれません」

 一言居士の麻生財務相は2月8日の衆院予算委員会で、JR北海道の経営危機について言及している。

「この話は商売のわかっていない『学校秀才』が考えるとこういうことになるという典型ですよ。国鉄を7分割して『黒字になるのは三つで他のところはならない』と当時から鉄道関係者は例外なく思っていましたよ。『分割には反対』と。経営のわかっていない人がやるとこういうことになるんだなと思ったが、僕は当時力がなかった。今だったら止められたかもしれないとつくづく思う。JR北海道をどうするという話は、なかなか根本的なところを触らずしてやるのは無理だろう」(2月8日付「朝日新聞デジタル」より)

 麻生財務相は、国鉄分割そのものが、商売を知らない「学校秀才」が考えたことだと断じ、振り出しに戻って、JR北海道はJR東日本が、JR四国はJR西日本が合併せよ、と考えていることがわかる。

 JR北海道を誰が面倒みるかで、国と北海道、JR各社の三つ巴の“ババ抜き”のゲームが演じられている。

 鉄道建設・運輸施設支援機構が100%保有しているJR北海道の株式を100%減資する。同機構からの貸付金は債権放棄。札幌市と中核都市をつなぐ路線を引き継ぐ新会社を設立し、ほかの路線は第三セクターに移行するか廃線にするというシナリオが現実味を帯びてくる。

 JR北海道が会社更生法を申請する事態は絵空事ではなくなった。設備をこれだけ持っているから、民事再生法はそぐわない。会社更生法を申請して、経営陣を総入れ替えするしかない。
(文=編集部)

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