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アマゾン、急速な脱ヤマト化が波紋…独自「1万人ドライバー網」構築で壮大な賭け

構成=深笛義也/ライター
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アマゾン、急速な脱ヤマト化が波紋…独自「1万人ドライバー網」構築で壮大な賭けの画像1アマゾンの倉庫(「Wikipedia」より/Asacyan)

 ヤマト運輸は、9月をめどに宅配便の基本運賃を5~20%引き上げる方針を発表した。27年ぶりの値上げである。アマゾンに代表されるようなインターネットによる通信販売で、頼りにされているのが宅配便。そのなかでヤマト運輸は5割近いシェアを占める。値上げは、どのような影響を与えるのだろうか。流通ジャーナリストの渡辺広明氏に話を聞いた。

「今の日本は、世界で一番買い物するのに便利な場所になっています。荷物は自分が選んだ時間に届けてもらえる。アマゾンのプライム会員になっていれば、注文の当日もしくは翌日には商品が届く。だけどこれらは、必ずしも必要なサービスではないですよね。サラリーマンであれば、たいていは土日に届けばいいくらいだと思います。時間指定にしても、選べるようになっているから選んでいますが、どうしてもその時間帯に届けてほしいっていうケースはそれ程多くないでしょう。

 つまり、過剰サービスになっているのです。海外では、時間指定すれば別料金がかかります。特別なサービスが発生したら、特別な料金が発生するのが普通です。それが、日本では普通になっていないのです。しかし、それは消費者のせいかといえば、ヤマトなどの宅配会社のシェア争いのために打っていった手なのです。結局それは配送員の過重労働で成り立っていた側面が強いのです」(渡辺氏、以下同)

 ヤマトは値上げの理由として、配送業務の現場が厳しいなかでの労働力確保を挙げている。

「ヤマトに配送を委託する通販会社は、ヤマトの値上げをのむか、日本郵便や佐川急便などの他社に頼むかという選択になります。ヤマトのシステムは優れているので、値上げをのむ企業が多いのではないでしょうか。その場合、値上げ分をお客に負担させるのかということになると、値上げ分を負担すると考えている企業が今のところ多いようです。そうすると、利益はマイナスになります。短期的には、通販を主とする企業は業績が厳しくなってくるでしょう。しかし中長期的には、通販比率の高い新商品は、値上げされた配送料込みの価格設定がなされていくでしょう。よって、知らないうちに値上げ分は消費者の負担になっていくことが予想されます」

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