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大成建設、リニア談合でも過去最高益…大型受注ラッシュで強気、東京地検と徹底抗戦

文=編集部
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 東京駅丸の内駅舎の復元を請け負い、ゼネコン盟主の輝きを取り戻した鹿島建設の18年3月期純利益は1267億円で、営業利益(1583億円)、経常利益(1797億円)とともに2期連続で最高益を更新した。リニア新幹線の談合事件の課徴金の特別損失の計上は見送った。

 19年3月期の純利益は820億円と大幅な減益の見通し。ゼネコン4社のなかで減益幅はもっとも大きい。東京オリンピックを前に関連施設の建設が進んでおり、人件費や資材費などの建設コストの増大を厳しく見積もったと説明している。

 大成建設と鹿島建設は、談合事件の課徴金の納付を見込んだ特別損失の計上を見送ったが、罰金が確定すれば納付せざるを得ない。両社が19年3月期の純利益の予想で減益としている一因ともみられる。

大林組と清水建設は19年3月期で巻き返しか

 首都圏と民間建築が主力の清水建設は、18年3月期の純利益は849億円だった。売り上げ計上までの期間が長い大型工事が増えたことで、4社のなかで唯一、減収減益となった。

 リニア関連では、課徴金などで20億円を特別損失として計上した。19年3月期は大型工事の進捗により、純利益は910億円と2期ぶりの増益を見込んでいる。

 大林組は関西に強固な地盤を持ち、「談合の帝王」の異名がある。東京スカイツリーを建設し、首都圏で存在感を高めてきた。18年3月期の純利益は926億円。海外子会社の建築プロジェクトや国内の土木工事の消化が進み、営業利益(1378億円)は3期連続で過去最高だった。

 リニア談合事件で、独占禁止法関連特別引当金を特別損失に105億円計上したため、純利益は前期実績を割り込んだ。特別損失の内訳は、大林組が41億円、昨年完全子会社にした大林道路が64億円である。

 19年3月期の純利益は980億円の見込み。大型工事を含む豊富な手持ち案件の消化が進み増益となる。純利益額は4社のなかでトップに躍り出る。

 リニア新幹線の談合事件で、官公庁の指名停止が続いている。大林組は指名停止となった影響について「現在は限界に近い施工キャパシティを受注可能工事に振り向けており、業績への影響はない」と強気の見通しを語る。

 東京オリンピックが開かれる20年以降は、受注が急減すると予測されている。公共工事の急増に対処すべく、ゼネコン各社が受注調整してきた談合の季節が終わり、「冬の時代」を迎えることになる。そのため。都心部での大型建て替え案件の受注争いが、一段と熱を帯びることになるだろう。
(文=編集部)

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