KeyHolderの特別顧問に就任
新たに秋元関連銘柄の仲間入りをしたのがKeyHolder(旧アドアーズ、JQ上場)である。アルゼ(現ユニバーサルエンターテインメント)傘下のゲーム施設運営会社。12年、ノンバンクのJトラスト(東証2部)が買収して子会社に組み入れた。Jトラストが発行済み株式の42.90%を保有する筆頭株主で、Jトラストの藤澤信義社長が代表取締役会長に就任した。
Jトラストは12年3月、10年秋に会社更生法の適用を申請した消費者金融最大手、武富士を252億円で傘下に収めたことで知られる。商工ローンを手掛けるグループ会社のロプロが武富士の消費者金融事業を継承した。
旧アドアーズはゲーム施設と建て売り住宅が営業の2本柱だったが、親会社のJトラストはライブ・エンターテインメント企業に変身させる考えだ。17年10月、アドアーズは持ち株会社へ移行し、商号をKeyHolderに変更。18年3月、アミューズメント施設運営の子会社アドアーズをワイドレジャーに譲渡し、ゲーム施設運営から撤退した。そして、ライブ・エンターテインメント事業に、本格的に経営の舵を切ることにした。
18年2月、三越伊勢丹プロパティ・デザインと賃貸借契約を締結し、ライブ・イベントスペースとして三越伊勢丹・新宿アルタを活用することにした。広告・プロモーション企画を行うallfuz社とアーティスト・タレントのキャスティング業務で連携する。
同年4月、2つの子会社をつくった。新宿アルタを活用してライブ・イベントスペース運営を行うKeyStudioと、テレビ番組制作を行うKey Productionである。5月にはテレビ番組『マツコの知らない世界』(TBS系)や『林修の今でしょ!講座』(テレビ朝日系)などの番組制作の実績を持つBIGFACE(東京都中央区)のテレビ制作事業を引き継ぐと発表した。
さらにKeyHolderは、秋元氏の特別顧問就任を発表した。7月1日、KeyStudioが秋元氏の協力のもと、新宿アルタ7階にライブ・エンターテインメント施設をオープンした。
爆発的な株価の上昇を期待
KeyHolderの2018年3月期連結決算(日本会計基準)の売上高は前期比12.7%減の195億円、営業利益は同71.3%減の2.28億円。純利益は同5.7倍の12億円。ゲーム施設運営の主要子会社アドアーズを売却したことによる特別利益が純利益を押し上げた。2019年3月期から国際会計基準に移行する。前年同期との比較は、日本会計基準を国際会計基準に組み替えて算出している。
それによると、18年4~6月期の売上高に当たる売上収益は前年同期比22.6%減の14億円、営業損益は1.4億円の赤字(前年同期は6800万円の赤字)、最終損益は1.6億円の赤字(同700万円の黒字)。子会社のアドアーズを売却した影響で大幅な減収となったが、不動産の賃料収入や仲介手数料が落ち込みを補った。
19年3月期(通期)の売上収益は18年同期比18.9%増の100億円、営業利益は同6.6倍の3億円、純利益は1億円を見込んでいる。アドアーズの売却で減収だが、固定費の削減効果で営業増益を予想している。ライブ・エンターテインメント事業の基盤を強化し、既存の不動産事業(分譲・賃貸・店舗サブリース)に次ぐ収益の柱に育てていく。
秋元氏の特別顧問就任の発表を受けて、6月25日に株価は194円と年初来の高値をつけた。その後は120円前後で推移している。安値は4月17日の103円である。KeyHolderが第2のブランジスタとなり、テンバガーになるのだろうか。上場来高値は1999年の810円である。
(文=編集部)