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東京、水害ハザードマップ…墨田区・江東区、浸水5メートル&1週間のエリアも

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 今年の夏に相次いだ自然災害は、日本の防災・減災対策に根本的な見直しを迫った。とりわけ、前例のない広範囲、長期間に及んだ西日本豪雨の影響は大きい。

 西日本豪雨は停滞する梅雨前線に向け、通過する台風7号の影響で南から大量の水蒸気を含む風が吹き込んでもたらされた。気象庁は、この大雨で1府10県に特別警報を発し、最大限の警戒を呼びかけた。しかし、大規模な河川の氾濫、浸水、土砂災害が発生し、200人を超す死者を出した。

 最悪の浸水被害を受けた岡山県倉敷市の真備町地区のケースを見てみよう(写真)。



 豪雨は周辺に7月5日朝から3日間降り続いた。降水量は7月の平均降水量の約2倍に上る計276.5ミリ。7月6日、一級河川の小田川につながる支流の高馬川の堤防から水があふれ、小田川も決壊して人口の多い町の北側を一挙に浸水した。119番通報が1200件以上寄せられたが、つながらない。市長は急遽避難指示を発令して自衛隊に出動を要請したが、見る間の浸水で51人が亡くなった。

防災対策モードを切り替える


 この浸水ケースは、2つの教訓を残した。ひとつは犠牲者の特徴だ。犠牲者の8割以上が65歳以上の高齢者で、住宅の1階部分で2階に避難できなかった。急な浸水で2階に上がれなかったのだ。犠牲者の大部分が身体の不自由な高齢者だったのである。

 他方で、今回の豪雨被災は倉敷市が作成したハザードマップが示す浸水域とほぼ重なり合う。危険が想定されていた地域だったのだ。実情は、特別警報を聞いたにもかかわらず、高齢者の多くが突然の浸水から逃れられなかった。

 もうひとつの教訓は、豪雨の性質変化だ。豪雨はここ数年、極端化し、あまりに過激になってきた。IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)の最新の第5次評価報告書が指摘したように、地球温暖化の影響で気候の極端化が進んでいるのだ。今後も想定外の豪雨が増えると見なければならない。

 進行する温暖化の影響となると、防災対策のモードを切り替えなければならない。多発するゲリラ豪雨のような極端気象に加え、想定外の地殻変動から生じる地震や火山活動も視野に入れて対策を練り直す必要がある。火山活動と地震は、しばしば連動する。世界にある約1500の火山の1割弱に当たる110の活火山が日本に集中している。気象庁は、このうち47火山を常時、監視している。

 むろん、富士山の大規模噴火も想定しなければならない。1707年に起きた宝永噴火などを参考に、降灰状況のシミュレーションや交通、電気、水道など公共インフラへの影響調査を行い、対策につなげる必要がある。

 政府の中央防災会議は9月、富士山の大規模噴火に備えた作業部会の初会合を開き、対策に乗り出した。南海トラフ地震のような巨大地震の恐れも切迫している。

 今後30年間に起こる確率が70%以上とされる南海トラフ地震は、最大で死者30万人超が見込まれている。これは、東海沖から九州沖の太平洋海底に伸びるトラフ(溝状の地形)に沿って発生する地震、とされる。

 政府は「防災の日」の9月1日、南海トラフ地震を想定した総合防災訓練を実施した。和歌山県南方沖を震源にマグニチュード(M)9.1の巨大地震が発生し、静岡県や愛知県で震度7を観測――などと想定した。首都圏の9都県市も、首都直下型地震を想定した合同防災訓練を実施。相次ぐ災害に背を押され、政府・自治体がようやく対策に本腰を入れ始めた。

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