
RIZAPグループ(以下、RIZAP)が業績予想を下方修正したのを受け、株価が大きく下げている。快進撃を続けてきたRIZAPが、大きな曲がり角に来たのだろうか。今年招聘されたプロ経営者の松本晃氏は、瀬戸健社長とどのように同社を経営していくのだろう。
M&Aにより構築してきたRIZAPの「グループ経営」に問題が提起された。瀬戸社長の経営者としての踏ん張りどころが来た。RIZAPは再び成長軌道に戻れるのだろうか。
業績下方修正だけでない、成長神話の終焉への懸念

11月14日(水)の業績下方修正の発表を受けて、RIZAPの株価は大きく下げた。上場している札幌証券取引所の新興企業向け市場で13日(火)に497円(終値、以下同)を付けていた株価は、14日には早くも425円となり下げ始めていた。
下方修正の発表を受けた翌日15日(木)は売り気配一色となり、345円のストップ安で終わった。売りに出された株の多くが約定とならず、続く16日(金)も2日続きのストップ安である265円で引けている。年初来高値が1099円(1月30日)だったので、11月26日の週明けにはその高値から80%も下げる場面も予想されている。
マーケットからこれだけの失望を買った要因は、直接的にはもちろん19年3月期業績予想の下方修正だ。具体的には、連結最終損益予想を従来の159億円の黒字から70億円の赤字に下方修正した。年間売上高予想も2500億円から2300億円へと下方修正した。
しかし、業績の下方修正をするのは、別に珍しいことではない。RIZAPの今回の発表に対して投資家がこれだけ反応したのは、同社の成長神話の終焉、少なくとも大きな踊り場が来たことを感じたからだろう。ちなみに最終損益が赤字になれば08年3月期以来、11年ぶりとなる。
「結果にコミットする」RIZAPの大当たりで、M&A拡大路線へ
RIZAPの創業者は、現社長である瀬戸氏だ。瀬戸氏は24歳で健康食品の通信販売会社の創業(健康コーポレーション)から事業を始め、2010年、32歳のときにRIZAPボディメイクのビジネスをスタートさせた(グローバルメディカル研究所、現RIZAP)。
「結果にコミットする」という印象的なキャッチフレーズで成功を収めてきたボディメイクビジネスをコアとして、瀬戸社長は積極的にM&Aに乗り出し、コングロマリット(複合企業)化の道を驀進してきた。RIZAPの子会社の数は、16年3月期には23社だったが、18年9月末には85社になっている。2年半の間に62社をほぼM&Aで入手してきた。