NEW
連載
高橋潤一郎「電機業界の深層から学ぶビジネス戦略」

かつてファンを魅了したパイオニアとオンキヨー、経営が危険水域に陥った理由

文=高橋潤一郎/クリアリーフ総研代表取締役
【この記事のキーワード】

, ,

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 さらにその後も17年には中国上海の生産機能を広州に移管統合するなど海外生産体制を再編、18年には欧州販売子会社の事業を現地企業に譲渡している。欧州での事業譲渡は18年10月1日付で、ドイツに本社を置く欧州販売子会社が手がけている「ONKYO」ブランドなどの欧州地域での製品販売事業を、現地会社に譲渡するという内容だった。欧州での事業ボリュームをそのまま維持してコスト削減につなげるという狙いである。

 欧州での再編効果は今期下期からということにはなるが、これまでのところでは今19年3月期の9月中間決算も営業損益以下赤字が続いており、最終損失は縮小しているとはいえまだ3億4,700万円の赤字という状況である。

 これだけの再建策を実施しても、まだオンキヨーは黒字には届いていないというのが実態である。

オンキヨーの最後の切り札

 国内外で人員削減もし、関連事業も統合してきた。もうこれ以上の合理化は難しいだろう。オンキヨーは今後、どこに活路を求めるのか。

 オンキヨーが今、力を入れて取り組んでいるのは、インド事業の強化と、車載用やテレビ用などのOEM生産の拡大である。

 インドについては、1年前の2017年8月に合弁会社の「ミンダ・オンキヨー・インディア」が立ち上がっており、今年になってさらに同社を増資するなど強化に取り組んでいる。インドの合弁会社は、インドの現地大手ウノ・ミンダ・グループと折半出資で、ミンダグループが保有する現地既存工場内に本社を構え、スピーカを生産している。インド工場では車載用スピーカなどを手がけ、現地日系自動車メーカー向けに販売しており、今後は合弁相手の販路なども活用して現地ローカルメーカーなどにも浸透を図る計画となっている。

 またOEM生産の拡大では、車載用OEMのほかにもテレビ用OEMも強化の方向で、シャープの液晶テレビ向けのほか、中国家電大手TCLともすでに提携している。インドとOEMはオンキヨーの最後の砦であると指摘する声もある。

 パイオニアとオンキヨー。かつてオーディオマニアを魅了したふたつのメーカーは、ともに大きな曲がり角に来ている。
(文=高橋潤一郎/クリアリーフ総研代表取締役)

関連記事