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「相馬勝の国際情勢インテリジェンス」

本田圭佑のカンボジア監督就任、協力相手は国民大虐殺の首謀者…本田批判は筋違い

文=相馬勝/ジャーナリスト

 HRWは1978年に創設され、世界90カ国以上に拠点をもち各国の人権状況を調査・モニター、政策提言する世界最大級の人権団体。「調べる、知らせる、世界を変える」という方法論に基づいて人権擁護活動を行っているところに最大の特徴がある。97年には「地雷禁止国際キャンペーン」でノーベル平和賞も共同受賞した実績もある。極めて良心的な団体であることは間違いない。

 そのHRWが今年6 月に発表した報告書『カンボジアのダーティーな 12 人:フン・ セン政権下の将官たちによる長い人権侵害の歴史』では、「サオ・ソカ氏が率いる部隊は超法規的処刑や拷問、違法逮捕、非暴力の抗議運動に対する攻撃などといった人権侵害を犯してきた」と糾弾している。このため、HRWは現在、「サオ・ソカ氏による犯罪捜査の実施、彼の犯した人権侵害行為にふさわしい訴追を求めて」おり、サオ・ソカ氏を目の敵にしているのだ。

 そのような同氏がカンボジア・サッカー協会会長の肩書で本田氏とともに現れたことで、HRWは「サオ・ソカ氏に根拠なき信頼性を与えかねない」として、同氏のダーティーなイメージが払拭されようとしていることに懸念を表明。さらに、本田氏に対して、カンボジアのナショナルチーム監督及びGM就任について再考を迫ったのである。

本田氏の信念

 本田氏としては、HRWから抗議の書簡が送られてきたことは、寝耳に水だったに違いない。サオ・ソカ氏はカンボジア・サッカー協会の会長であり、その職務権限の範疇で、本田氏に監督就任などを要請してきたと思っているだろう。実は過去の犯罪的行為を払しょくするために、本田氏に声がかかったなどとは、夢想だにしていないに違いない。
 
 筆者は本田氏のツイッターでのつぶやきを読んだが、本田氏のカンボジアにかける思いには感動を禁じ得なかった。たとえば、冒頭に取り上げたつぶやきのように、本田氏は自身のツィッターでカンボジアへの思いを語っている。とくに、11月18日付のツィッターでは30秒間の独白を記録した動画のなかで、本田氏はカンボジアでの仕事について次のように自身の思いを吐露している。

「まだまだ苦しい生活をしている人も多いカンボジアで、サッカーを通じて、ちょっとでも勇気を与えられるような、元気になってもらえるような、明日から働くエネルギーを少しでも得てもらえるような、なんか、プロジェクトになればな、と思って」

相馬勝/ジャーナリスト

相馬勝/ジャーナリスト

1956年、青森県生まれ。東京外国語大学中国学科卒業。産経新聞外信部記者、次長、香港支局長、米ジョージワシントン大学東アジア研究所でフルブライト研究員、米ハーバード大学でニーマン特別ジャーナリズム研究員を経て、2010年6月末で産経新聞社を退社し現在ジャーナリスト。著書は「中国共産党に消された人々」(小学館刊=小学館ノンフィクション大賞優秀賞受賞作品)、「中国軍300万人次の戦争」(講談社)、「ハーバード大学で日本はこう教えられている」(新潮社刊)、「習近平の『反日計画』―中国『機密文書』に記された危険な野望」(小学館刊)など多数。

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