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鳥貴族、赤字転落で危機突入…値上げ嫌われ15カ月連続客数減、過剰出店で客の“共食い”

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 ワタミは鳥貴族とは対照的に、集客に成功している。国内外食事業の既存店客数は2月まで5カ月連続で前年を上回っている。18年4~12月までの累計では前年同期比1.6%増となっている。18年3月期(通期)は5.5%増だった。鳥貴族の失速を尻目に躍進を続けている。ワタミは、店舗数では鳥貴族に遠く及ばない。だが、無視できるほど少ないわけではない。鳥貴族にとっては手強いライバルといえるだろう。

 鳥貴族は自社競合でも苦しんでいる。同社はドミナント(集中)出店を原則としており、関東と関西、東海に集中して出店し、店舗数を伸ばしてきた。客離れが著しかった18年7月期は大量出店しており、1年間で98店も純増している(期末店舗数は665店)。割合でいえば17%も増えた。この大量出店により、自社の店舗同士で客の奪い合いが起きた側面がある。

 外食チェーンでは、規模が大きくなるにつれて自社競合の問題がついて回るようになる。ペッパーフードサービスが展開する「いきなり!ステーキ」も、自社競合が一因で客数が減るようになった。既存店客数は18年4月から前年割れが起きるようになり、8月と10月こそわずかに前年を上回ったものの、それら以外の19年2月までの月すべてがマイナスという深刻な状況が続いている。ブームの一巡や値上げのほか、大量出店による自社競合が影響したとみられる。

「いきなり!ステーキ」の2月末時点の国内店舗数は417店。1年前から204店増えてほぼ倍増した。大量出店したことで自社競合するケースが増え、それにより既存店の客数減になっている側面がある。

 幸楽苑ホールディングスが全国に500店超を展開するラーメンチェーン「幸楽苑」も、自社競合で業績が悪化した。そこで自社競合していた幸楽苑を「いきなり!ステーキ」に転換したところ、転換せずにそのまま残した幸楽苑の業績は上向くようになったという。自社競合が解消されたためだ。

 これらが示すように、店舗網が大きくなったチェーン店は自社競合という難題に直面する。それは鳥貴族も同様で、巧緻な対応が問われている。

 鳥貴族は業績の下方修正と合わせて、18年7月期~21年7月期の中期経営計画を取り下げることを発表した。「3商圏1000店舗、営業利益率8%」を掲げていたが、最終年度の目標達成が困難になったと判断した。営業利益率8%については引き続き経営目標として取り組む。新たな中期経営計画は19年9月をめどに改めて公表する予定だ。抜本的な対策を示せるかに関心が集まる。
(文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント)

●佐藤昌司 店舗経営コンサルタント。立教大学社会学部卒。12年間大手アパレル会社に従事。現在は株式会社クリエイションコンサルティング代表取締役社長。企業研修講師。セミナー講師。店舗型ビジネスの専門家。集客・売上拡大・人材育成のコンサルティング業務を提供。

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