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NHK受信料、携帯所有者も支払い義務化へ…「不払いだと視聴不可」が実現されない理由

文=深笛義也/ライター
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NHK受信料、携帯所有者も支払い義務化へ…「不払いだと視聴不可」が実現されない理由の画像1NHK放送センター(「Wikipedia」より/Kakidai)

「NHKですが、ワンセグはされていますか?」

「いったいなんだね、いきなりわけのわからない話をして失礼じゃないか」

「すみません。弊社と契約されていないのはテレビをお持ちではないからだと思うんですが、携帯やスマホのワンセグでテレビ視聴はされていますか?」

「ワンセグってなんだ? まるでわからん」

「失礼しました。それではけっこうです」

 これは筆者の知人が、NHK受信料徴収員と交わした会話。昨年のことだった。インターホン越しの会話だった。玄関口でNHK受信料徴収員と話して、首から提げていた携帯電話にワンセグ機能があったため、契約を余儀なくされたというケースもあるようだ。

 さる3月13日、テレビを持っていなくて、ワンセグ付き携帯電話だけを持っている場合でもNHKとの契約義務があるという判断を、最高裁第3小法廷(山崎敏充裁判長)は下した。NHKから契約を求められた、埼玉県朝霞市の市議会議員の大橋昌信氏が起こした、「ワンセグ付き携帯電話を所持しているだけでNHK受信料を払わらなくてはならないのか」の確認を求める民事訴訟の判決である。

 受信契約及び受信料に関して定めた放送法第64条の条文は以下の通りだ。協会とは、日本放送協会つまりNHKのことである。

「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。ただし、放送の受信を目的としない受信設備又はラジオ放送(音声その他の音響を送る放送であって、テレビジョン放送及び多重放送に該当しないものをいう。第百二十六条第一項において同じ。)若しくは多重放送に限り受信することのできる受信設備のみを設置した者については、この限りでない」

 ワンセグ付き携帯を持っていることが、条文に言う「設置」に当たるかどうかが争点になった。一審のさいたま地裁は「NOTTVなどマルチメディア放送を定義する放送法2条14号で『設置』と『携帯』が分けられていることから、ワンセグも『設置』とするNHKの主張を『文理解釈上、相当の無理がある』」として、2016年8月26日、「受信料を払う必要はない」とする判決を下した。NHKが控訴、東京高裁は「受信設備の設置には携行することも含まれる」として受信料を払う義務があるとする判決を下した。原告が上告したが、最高裁は上告棄却し、東京高裁の判決が確定したわけだ。

 この判決をどうとらえるか。上智大学文学部新聞学科の水島宏明教授から聞いた。

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