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堀田秀吾「ストレス社会を科学的に元気に生き抜く方法」

嫌なことがあった日の解消法に関する科学的研究…「酒」「鬱憤晴らす行為」は逆効果

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「gettyimages」より

 

 ストレスが溜まるような嫌なことがあったとき、それを忘れたり、気分転換したりするために、みなさんはどんなことをしますか?

 さまざまな調査を見てみると、常にトップ・ランキングに出てくるのが、「お酒を飲む」「寝る」「体を動かす」です。もちろん、これらで上手にストレスを解消している人もいるでしょう。ただ、同じ「お酒を飲む」でも、「やけ酒」。同じ「寝る」でも、「ふて寝」。同じ「体を動かす」でも、「物に当たる」。こういった行動は、実は逆効果だったりします。

 東京大学の野村・松木の研究(2008年)によると、アルコールは恐怖の記憶を強化します。つまり、忘れるためのやけ酒は逆効果ということです。野村・松木の実験では、実験用マウスに電気ショックによるストレスを与えたあとにアルコールを注射したところ、電気ショックを忘れるどころか恐怖感が増し、より臆病になってしまいました。お酒を飲むと嫌なことを忘れるどころか、記憶が強化されるというわけです。

 野村・松木はマウスを使った研究でしたが、人間もお酒を飲んだときのほうが、お酒を飲む前に読んだ記憶を忘れないという研究結果があります。

 イギリスのエクセター大学のカーライルらの研究(2017年)では、88人の被験者に、平均82.59グラムのアルコールを摂取させ、飲酒前、飲酒中、飲酒後と記憶テストを行ったところ、飲酒していたグループのほうが記憶テストの成績が良かったのです。また、アルコールを常習すると、嫌な記憶を消す能力が下がるということもアメリカ国立衛生研究所のホームズらの研究(2012年)でわかっています。つまり、嫌な記憶を少しでも消したいなら、お酒は飲まないに越したことはないということです。

物に当たる、ふて寝

 次に、頭に来る嫌なことがあると、ついつい物に当たる人っていますよね。せめて器物を破損しないためにサンドバッグなどを叩いて、頭に来たことを忘れたり、嫌な出来事でたまったストレスを発散させようとしたくなる気持ちもよくわかります。

 しかし、アイオワ大学のブッシュマンらの研究(2014年)によると、被験者たちに「怒りは人にぶつけるよりも枕やパンチング・バッグのような無生物にぶつけると発散できる」という嘘の情報を与え、被験者に書いてもらったエッセイをサクラが酷評してイライラさせ、その後、被験者にリストの中からしたい行動を選ばせたところ、ほとんどの人がパンチング・バッグを選びました。その上、怒りを発散させるためにパンチング・バッグを殴らせた被験者たちは、怒りがおさまるどころか、攻撃的で怒りが続く傾向がありました。確かに、怒りを表現しだすと止まらなくなってしまう人をよく見かける気がしますね。結局、イライラしたときに物に当たるのも逆効果だということです。

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