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米中貿易紛争の裏で、中国企業の技術力が上昇…ファーウェイ、早くも独自OSを発表

文=真壁昭夫/法政大学大学院教授
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 2015年7月に出光興産昭和シェルの経営統合協議が始まって以降、経営陣は粘り強く創業家との交渉を続けた。一時は、創業家が影響力の増大を目指して出光株を買い増し、交渉の先行きが一段と厳しくなることも予想されたが、経営陣はあきらめなかった。19年4月、3年半の時間を費やし両社の経営統合は実現した。出光興産の経営陣には、経営統合の成果を実績として示していくことが求められる。

可能性を秘める有機EL材料事業

 今後の出光興産の経営を考えたときに重要と考えられるのが、高機能材事業だ。特に、同社の有機EL材料事業には大きな可能性がある。日本国内にいると気づきづらいかもしれないが、出光興産は有機EL材料業界における存在感が大きい。そのほか、合成樹脂分野でも同社の競争力は高い。

 出光興産が手掛ける青色発光材料は世界的な注目を集めている。青色発光材料は、有機EL材料の中なかでも、最も開発が困難といわれている。出光興産は、長い時間をかけてこの分野の研究開発を進め、競争力を蓄えてきた。

 1980年代半ばから出光興産は石油事業以外の収益源を育てるために、有機EL材料の研究開発に取り組んできた。途中、コスト削減を理由に成果の上がっていなかった有機EL材料の研究開発が中止される危機があったものの、2000年頃に実用化のめどが立った。出光興産は有機EL材料の開発を進めつつ、特許を出願した。2000年から2006年の間、同社の特許出願数は同業他社を上回るペースで推移した。このなかには、他の企業が模倣困難な、競争力の根幹にかかわる技術が多い。今日、出光興産は青色発光材料の供給を、事実上、独占している。これは、同社の技術力が高いことの証左だ。

 今後、出光興産の有機ELディスプレイ材料への需要は拡大していくだろう。有機ELディスプレイは、バックライトが不要であり、その分ディスプレイの厚さを薄くできる。加えて、液晶ディスプレイよりもコントラストが鮮明だ。また、折り畳み型スマホへの搭載が目指されるなど、デザインに合わせて柔軟な利用が期待されている。スマートフォン上での動画視聴や、“eスポーツ(ゲーム対戦競技)”の利用増加など、有機ELパネルが重用される場面も増えている。出光興産がそうした需要をどう取り込んでいくかが注目される。

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