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山口組分裂騒動がついに血で血を洗う抗争に発展か…射殺事件発生で当局が伝家の宝刀を抜く!?

文=沖田臥竜/作家
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捜査陣が集まった神戸山口組事務所前

 各組織が月に一度開催する定例会。二次団体といえども、神戸山口組の中核組織「五代目山健組」の定例会ともなれば、全国から直系組長が集結するため、会合も大規模なものとなる。当然、そこには警戒にあたる捜査関係者や報道関係者が詰めかけることになるのだ。10日10日に行われたそれも、ある種のいつもの光景であった。

 この日開催された定例会で変わった点があったとしたら、五代目山健組組長である中田浩司・神戸山口組若頭代行が先月に引き続いて欠席していたことと、会場となった神戸市花隈町にある山健組本部事務所周辺に、山健組関係者のみならず、捜査関係者や報道関係者までもが気に留める人物がいたことだろう。ただ、その人物がまさかヒットマンであったとは、誰も想像することができなかったはずだ。

「その男は、某出版社の週刊誌カメラマンを名乗っているのに、明らかに態度がおかしく、シャッターチャンスでも撮影する気配がまったくなかったといいます。そして定例会が14時頃に終了し、捜査関係者も報道関係者も引き上げたのに、その人物だけは残っていたという話です」(ジャーナリスト)

 あとからわかることだが、その人物は偽造した出版社の名刺を持ち、週刊誌スタッフだと身分を騙っていたのだ。

「男の挙動を不審に思った山健組系組員が用件を問いただしにいこうとしたとき、ちょうど、周辺を警戒中だった警察官も到着、男に職務質問をしようとしました。するとその瞬間、男が近くに寄ってきた山健組系組員たちに向かって拳銃を発砲したと聞いています」(同)

 既報の通り、その男は六代目山口組の中核組織「三代目弘道会」系幹部である丸山俊夫容疑者だった。同容疑者が放った銃弾で、2人の山健組系組員が亡くなるという惨事になったのだ。

 丸山容疑者はすぐに身柄を確保されるが、さらに事態は思わぬ方向へと急展開を見せることになっていく。

「当局はこれを8月に神戸市で起きた報復事件ではないかと判断したようです【参考記事「六代目山口組連続襲撃で騒動が再燃か」】。8月に起きた事件では、弘道会の関連施設で弘道会系組員が何者かによって撃たれ、重傷を負っています。犯人こそ逮捕されていませんが、当局は神戸山口組の犯行ではないかとして捜査を進めていたようで、その報復として、丸山容疑者が射殺事件を起こしたという可能性が高いと見ているようです」(実話誌記者)

 今回、当局は六代目山口組と神戸山口組の対立が激化した末の事件と位置づけ、暴対法にのっとり、両組織に対して事務所の使用を禁じる、いわゆる使用制限をかけるのではないかという情報がすぐに流れたのである。さらには、当局の伝家の宝刀ともいえる「特定抗争指定暴力団」への指定を行うのではないかという憶測が一気に広まったのだ。

「六代目山口組の分裂後、これまで各陣営の対立が泥沼化しなかったのは、特定抗争指定暴力団に指定されることを避けるためだったともいわれている。特定抗争暴力団とみなされたら、各事務所への出入りが規制されたり、組員に対する逮捕要件が緩和されたりと、これまで以上の規制をかけられることになる。ただでさえ、現在のヤクザ社会を取り巻く環境は厳しいものとなっている。これ以上締め付けられたら、いったいどうなってしまうのか」(事情通)

 事実、当局はまず、11日午後に、兵庫県内の六代目山口組総本部や神戸山口組事務所、山健組など関係施設11カ所に対して使用制限かけたのであった。

 一気に動き出した分裂騒動と当局の取り締まり、その詳細や各所の反応は、あらためて伝えたい。

(文=沖田臥竜/作家)

●沖田臥竜(おきた・がりょう)
2014年、アウトローだった自らの経験をもとに物書きとして活動を始め、『山口組分裂「六神抗」』365日の全内幕』(宝島社)などに寄稿。以降、テレビ、雑誌などで、山口組関連や反社会的勢力が関係したニュースなどのコメンテーターとして解説することも多い。著書に『生野が生んだスーパースター 文政』『2年目の再分裂 「任侠団体山口組」の野望』(共にサイゾー)など。最新刊は、元山口組顧問弁護士・山之内幸夫氏との共著『山口組の「光と影」』(サイゾー)。

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