
数十年の長期間にわたって、積立で少しずつ投資信託を買うだけの「ほったらかし投資」。忙しくてもズボラでも続けられる投資でありながら、実は「長期」「積立」「分散」という、王道をしっかりと押さえた本格的な投資法なのです。
そんなほったらかし投資で購入する投資信託は、自分の取れるリスクと目標額を考えてうまく組み合わせることが大切。その選び方を確認しておきましょう。
自分が取れるリスクを見極めよう
投資の世界でいう“リスク”とは、「危険性」のことではなく「リターンのブレ幅」のこと。リスクとリターンは比例の関係があります。リスクが大きいほど、大きく儲かる可能性も損する可能性もある、というわけです。
もし、損をしてしまった場合、どのくらいまでなら耐えられるかを表す度合いのことを「リスク許容度」といいます。リスク許容度は一般的に、収入・資産・年齢・運用期間・投資経験などによって変わります。
たとえば、同じ50万円を投資するにしても、収入や資産の少ない人にとっては勇気がいるかもしれませんが、多い人にとってはさほど負担に感じないかもしれません。このとき、収入や資産の少ない人のリスク許容度は低く、逆に多い人のリスク許容度は高いといえるでしょう。同様に、年齢が若いほど、運用期間が長いほど、投資経験が多いほど、リスク許容度は高いといえます。
また、これから控えるライフイベントによってもリスク許容度は変わります。
人生には出費の重なる年代やタイミングがあります。特に住居費用・教育費用・老後費用の3つは、“人生の三大出費”と呼ばれ、数千万円単位のお金がかかります。こうした出費があるのに、大きなリスクを取って資産を減らしてしまえば、それらのライフイベントにお金をかけられなくなるおそれがあります。
投資信託は、リスク許容度を考えた上で、自分が取れるリスクを見極めて運用することが重要です。とはいえ、リスクの高い商品にはそれなりの魅力があるもの。せっかく投資で増やしたいと思ったのであれば、躊躇せず攻めの姿勢で臨んでもいいでしょう。
目標金額と投資期間が決まれば月々の投資金額がわかる
次に考えていただきたいのが、投資の目標です。みなさんは、なんのために、いくら貯めたいと思っているのでしょう。「なんとなくお金を増やしたい」という人もいるかもしれませんが、ほったらかし投資を成功させるには、モチベーションを維持するための目標をつくることが大事です。
そこで、まずはなんのためにいくら貯めるのか、目標金額を決めることから始めましょう。ライフイベントのためでももちろんいいですし、「○○が欲しい」「旅行に行きたい」などでも結構です。
次に、目標金額を達成するまでの投資期間を決めましょう。10年後、20年後など、具体的であればあるほど、達成に近づくことができるでしょう。
目標金額と投資期間が決まったら、どのくらいの投資金額・運用利回りでその目標金額が達成できるのかを確認してみましょう。簡単に計算するための速算表を紹介します。
たとえば、目標金額が2000万円、投資期間が25年間だとします。仮に年4%の運用利回りが得られたとした場合、必要になる月々の投資金額は、目標金額をこの表の「25年」と「4%」が合わさったところにある数値(514.13)で割った金額(税金は考慮せず)になります。この例の場合、
2000万円÷514.13=約3万8900円
とわかります。月約3万8900円ずつ25年間投資して、運用利回りが4%ならば、目標金額の2000万円に到達する、というわけです。
『月5000円からはじめる 最新!ほったらかし投資』頼藤太希 監修 忙しい方でも面倒くさい方でもできて、しかもお金が勝手に増える「ほったらかし投資」を紹介。 おすすめの投資信託18本から選ぶだけで自分だけのポートフォリオが作れる一冊。
