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事件被害者の写真、マスコミの無断使用は制限できない?「表現の自由」の名目で保護

文=編集部
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「Getty Images」より

 世間を騒がす事件などが起きたとき、テレビや雑誌に被害者の顔写真が公開されることがある。普段、何気なく見ているとあっさり流してしまうかもしれないが、実は意外と本人や遺族の了解を得ずに写真公開しているケースが多いという。では、こういった写真類はどこから流出するのだろうか。

 近親者が用意することはほとんどなく、マスコミの取材に応じた昔の知人と考えていいだろう。ちなみに、簡単に写真を提供してしまう知人というのは、学校や職場が同じだっただけで、本人と一切面識がないというのが大半だ。もちろん、そこには金銭的なやりとりが発生することもあるだろう。

 事件後に報道されるテレビや雑誌では、こういった“知人”によって提供された写真が使用されるが、本人にとっては露出してほしくない過去の写真などもあるはず。しかし、これだけ連日、何かしらの事件が起こり、その都度、被害者の写真が公開されているにもかかわらず、不本意に写真を公開されたことにより、マスコミがなんらかの罰則を受けたという話はあまり耳にしない。

 被害者の写真を本人の了解を得ずに公開した場合、マスコミが罪に問われることはないのだろうか。

「法改正等があればわかりませんが、現時点では被害者の写真を無断で公開したマスコミが刑事罰に問われることはありません。民事で訴えることは可能ですが、損害賠償請求が認められるかと言われると、難しいでしょうね。写真を提供した人を特定しても、提供してしまうこと自体は仕方がないことなのであまり意味はないでしょう。

 マスコミは、いわゆる個人情報保護法の対象外ですので、表現の自由という解釈で基本的には法律で守られています。ただ、もちろん行き過ぎた行為や写真を公開された被害者からの声は最近とくに多く、皆さま、頭を悩まされているのが現状です。この行為自体をやめさせる効果的な対策としては、写真を公開されてしまった被害者たちが声を上げていくしかありません。『表現の自由』という名目で保護されているマスコミの立場も、こういった声が多くなれば法律的に大きく変わる可能性はあります」(諏訪坂法律事務所)

 公開してほしくない写真が無断で公開されてしまった場合、現時点ではそれをやめさせる効果的な対策はないそうだ。しかし、マスコミのそういった行為を被害者が声を上げて糾弾すれば、社会の動きが大きくなり、立法府にまで届く可能性もある。もしなんらかの事件で自分や親族の過去の写真が不本意に公開されてしまったら、泣き寝入りしないことが肝要だ。
(文=編集部)

BusinessJournal編集部

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