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安住淳議員、新聞「くず」批評で小学生並みの言い訳…政治家として致命的な欠点を露呈

文=井山良介/経済ライター
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立憲民主党の安住淳国会対策委員長(写真:毎日新聞社/アフロ)

「これ以上の墓穴掘りはない」――そう感じたのは私だけだろうか。

 立憲民主党の安住淳国会対策委員長が衆議院予算委員会の質疑応答に関する新聞記事に対して「すばらしい!」「くず0点」「論外」などと書きなぐり、衆議院会派控室のドアに貼っていた一件だ。しかも、与党寄りの論調を酷評し、野党寄りの記事については“ヨイショ”していたというわかりやすさ。30~40分で撤去したというが、記者団の追及に対して「ほんの冗談のつもりだった」「伝え方が悪かった」と釈明するなど、もはや小学生のイタズラとレベルが変わらない。

 政治家は「センセイ」と呼ばれる数少ない存在だ。教養にあふれ、知識が豊富で、経験も積んでいる。その上で、人間としての度量や器が大きい人がトップに上り詰めていくのだろう。

 安住議員は「感情の思うままに書いてしまった」と述べていたが、このコメントには「あずみ、アウト!」と言わざるを得ない。政治家は国家の政策やあり方を議論し、決定するのが仕事である。時には、外交で諸外国と交渉したり競ったりしなければならない。決して感情的にならず、常に冷静沈着でいることが求められる。そのあたりの事情は、軍隊に置き換えるとわかりやすいだろう。

 前述の安住議員の発言は「政治家は言葉が命」であることをまるでわかっていない、墓穴を掘るものであったといえる。いずれにせよ、この一件で安住議員の器の小ささが丸見えになってしまった。

「与党としては楽だが…」

 議会制民主主義において、野党は絶対に必要な存在だ。最近は「与党の揚げ足取りばかり」との声も聞かれるが、権力集中を防止するためには不可欠な存在である。

 しかし、野党第一党である立憲民主党の醜態はとても政権を任せられるものではなく、今回の一件も、その事実を国民に再認識させたといっていい。2月4日に立憲民主党の山尾志桜里議員がツイッターで「自分が立憲民主党所属であることが恥ずかしいレベル」と発言したように、今や野党議員の多くが似たような思いを抱えているのではないだろうか。

 一方で、与党議員は心の中でほくそ笑んでいる。

「新型肺炎について議論することで政権担当能力を示せるのに、『桜』のことばかり質問してくれるので、与党としては楽だが、本当にこれでいいのかね」

橋下徹の政界復帰はあるのか?

 とはいえ、与党である自民党にも、次代のリーダーとして期待が持てる人材は見当たらない。「次期首相の最有力候補」と目されていた小泉進次郎環境大臣は入閣後に批判の対象となり、話題先行の感が否めない。現在は育児休暇を取得しているようで、率先垂範で男性の育休取得を広めるという考えは悪くないが、まだ大臣の重責を果たしたとはいえないだろう。

 時代錯誤といわれるかもしれないが、昭和の田中角栄のような政治家が令和の政権には皆無である。そんななか、唯一期待できそうなのが、今は在野の橋下徹・元大阪府知事だ。私は面識はないが、弁護士でもある橋下氏のコメントにはなるほどと思わされることが多く、視野の広さや洞察の深さを感じさせる。

 一介のコメンテーターの発言であれば「言うのは簡単だろ」と思ってしまうが、橋下氏が大阪府知事や大阪市長として行ってきた政策は非常に独創的であり、そうした経験が独自の発言にもつながっているのだろう。今の日本の政治家たちの質を考えたとき、橋下氏に政界に復帰してほしいと感じるのは、私だけだろうか。

(文=井山良介/経済ライター)

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