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たかぎこういち「“イケてる大先輩”が一刀両断」

スーツ選び&着方、“最低限知っていれば”失敗しない!襟も袖も「1.5センチ」がカギ?

文=たかぎこういち/タカギ&アソシエイツ代表、東京モード学園講師

1.スーツスタイルとノーネクタイスタイルの違いを理解する

 就職活動の服装となると誰も疑わずにブラックスーツ一辺倒になる奇妙な習慣が続いています。今回は、スーツを着る習慣が広まった背景や、スーツの選び方、ネクタイの結び方をイラストでわかりやすくお伝えします。

 スーツのルーツは諸説ありますが、19世紀のイギリスの上流階級の男性服とされます。今でもモーニングやタキシードが礼服として、当時のスタイルのまま脈々と残っています。スーツが長い歴史をたどりながらも世界中のビジネスパーソンに着用されているのには、それなりの理由があります。

スーツ選び&着方、“最低限知っていれば”失敗しない!襟も袖も「1.5センチ」がカギ?の画像1
『一流に見える服装術』(たかぎこういち/日本実業出版社)

 最大の理由は、世界中どこでもスーツが初対面の人にも良い印象を与えるスタイルであることです。しかし、残念ながら多くの日本人は誰もそのルールを教えてもらったことがない。特に男性の身だしなみについては、まだ因習的な価値観に支配されています。正しくスーツを着ることは、お洒落でなく社会人としての素養のひとつです(具体的なポイントについては次章で解説します)。

 また、ビジネスウエアのカジュアル化が、政府主導でルールが無視されて混迷を深めています。ノーネクタイスタイルが定着化した理由のひとつは、地球温暖化です。さらに米国IT産業で主流だったアメリカ人好みのカジュアルスタイルが、IT産業の成長に伴い世界に広まったという面も大きいでしょう。

2.スーツ選びのポイント

スーツ選び&着方、“最低限知っていれば”失敗しない!襟も袖も「1.5センチ」がカギ?の画像2
ユニクロHPより

 スーツは物価の超優等生です、安価で良いスーツが溢れています。国内で販売されているものは、それなりの品質基準を満たしています。その選び方さえ間違わなければ、失敗することはありません。正しいスーツ選びの具体的なポイントは以下の通りです。

(1)上着の肩山が肩に沿うサイズ。肩から落ちない、上がらないサイズ。“上着は肩で決まる”と考える。

(2)前ボタンを留めた際に拳が入る程度が正しいサイズ

(3)袖丈はワイシャツが1~2センチ見える長さ

(4)ワイシャツの襟が上着着用時に後ろの襟から1~2センチ見える

(5)上着丈はヒップが丁度隠れる長さが基準

(6)ウエストはベルトなしで止めるサイズ

(7)裾丈はワンクッションと呼ばれる少し靴に掛かってたるみができる長さ

 上着のボタンはひとつだけ止めるのが決まりです。座った時には外しましょう。

 ワイシャツの首回りのサイズはボタンを留めた際に指が1、2本入る程度を選んでください。1着目のスーツはネイビーかグレイが基本です。ブラックは避けましょう。

3.お勧めのノータイスタイル

  職種によればノータイスタイルが標準の場合も増えました。その際でもいきなりカジュアルスタイルではなく、ジャケットにパンツスタイルが就活生にもお勧めです。ジャケットは合わせやすいネイビーが最適です。パンツはウールのグレイパンツやコットンパンツ、昨今ならきれいめなデニムも良いでしょう。インナーはボタンダウンシャツ、ポロシャツを合わせます。足元はレザースニーカーやローファーでフォーマル度をキープしましょう。そして、清潔感を失わないように心掛けましょう。

4.ネクタイの結び方とVゾーンの基本

スーツ選び&着方、“最低限知っていれば”失敗しない!襟も袖も「1.5センチ」がカギ?の画像3

 スーツがネイビーもしくはグレイであれば、上記イラストのなかからワイシャツ3枚とネクタイ2本を選べば6通りの組合せが可能です。就活であれば3次面談、役員面談と続いても同じスタイルにはなりません。次にネクタイの結び方を、以下にイラストで説明します。

スーツ選び&着方、“最低限知っていれば”失敗しない!襟も袖も「1.5センチ」がカギ?の画像4

 ネクタイの結び方は、ワイシャツがレギュラーカラーならプレーンノットを、ワイドカラーならセミウインザーノットをお勧めします。ネクタイ結びのコツは、結び目の下にディンプル(エクボ)と呼ばれる窪みをつくることです。しっかりと結べばディンプルが出来て美しく見えます。

 また、ネクタイの長さは、先がベルトに少しかかる程度が最適です。長さはネクタイの後ろ(小剣)で調整します。小剣の長い部分はパンツに入れると問題ありません。ネクタイ結びは慣れが必要なので、自宅の鏡の前で練習してください。すぐにコツがつかめるようになります。

5.まとめ

 学生気分を抜くためにも、ネクタイを締めるという行為は良い機会になります。

 普段はノータイスタイルでも、社会生活を営むにはネクタイが必要な場面が必ずあります。アップル創業者でノームコアで有名だったスティーブ・ジョブズも、金融関係者と会う際にはキートンの高級スーツに身を包んでいたのは有名な逸話です。高価なスーツは必要ありませんが、ビジネスにおいて相手に対する敬意は忘れてはなりません。就活生ならより高い志を持って“自信をくれる服装”で未来の可能性に臨んでください。

(文=たかぎこういち/タカギ&アソシエイツ代表、東京モード学園講師)

たかぎこういち/タカギ&アソシエイツ代表/東京モード学園講師

たかぎこういち/タカギ&アソシエイツ代表/東京モード学園講師

カギ&アソシエイツ 代表/スタイルアドバイザー/コンサルタント(ファッション視点からの市場創造)/東京モード学園ファッションビジネス学科講師

1952年、大阪生まれ。奈良県立大学中退。大阪で服飾雑貨卸業を起業。22歳で単身渡欧後法人化代表取締役就任、1997年香港に渡り1998年、現フォリフォリジャパングループとの合併会社取締役に就任。オロビアンコ、マンハッタンポーテージ、リモワ、アニヤ・ハインドマーチなど海外ファッションブランドをプロデュースし、日本市場の成功に導く。また、第1回東京ガールズコレクションに参画。米国の有名ファッション展示会「d&a」の日本窓口なども務めた。時代に沿ったブランディング、MD手法には定評がある。2013年にファッションビジネスのコンサルティング会社「タカギ&アソシエイツ」を設立。著書に『オロビアンコの奇跡』『超入門 日・英・中 接客会話攻略ハンドブック(共著)』(共に繊研新聞社)、『一流に見える服装術』(日本実業出版社)、『アパレルは死んだのか』(総合法令出版)『アパレル業界のしくみとビジネスがしっかりわかる教科書』(技術評論社)などがある。
コンサルタントのタカギ&アソシエイツ

Instagram:@kohichi.takagi

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