【完了】ワタミ、「ホワイト企業」ぶりを猛アピール…不振の中国から新型コロナ言い訳に鮮やかな撤退の画像1
三代目鳥メロの店舗(「Wikipedia」より)

 最近、居酒屋大手ワタミの存在感が高まっている。きっかけとなったのは、休校支援だ。新型コロナウイルスの感染拡大による小中高校の一斉休校要請を受けて、同社は弁当を宅配の料金だけで届けるサービスを実施した。これに対し、称賛の声が相次いだのだ。

 近ごろ同様の動きが広がっているが、早い段階で休校支援を表明して注目を浴びたのがコンビニ大手のローソンだ。同社は3月2日、全国の学童保育施設に子どもたちの昼食支援を目的に、おにぎりを無償配布すると発表した。このことはメディアに大きく取り上げられ、称賛の声が相次いだ。これがきっかけとなり、休校支援の動きが広がっていった。

 だが、ワタミの休校支援表明はローソンよりも早かった。2月28日に、弁当を宅配の料金だけで届けることを表明している。この対応は当初あまり報じられなかったが、同様の動きが広がったことで、徐々に取り上げられるようになった。それに伴い、ワタミが先駆けて休校支援を表明したことが知られるようになり、称賛の声が上がるようになった。「これぞまさにホワイト企業」といった声も聞かれた。

 さらにワタミは、子育て中の家庭を対象として、2食以上の弁当を注文した場合に1食あたり宅配料込みで390円(税込み)と、通常より安い価格で提供する「子育て家族割」を3月に始めている。前述の休校支援を行った際に、子どもだけでなく子育て中の親の食事も注文したいという声が多くあったことから「子育て家族割」の開始を決めたという。また、サービス対象外のエリアのお客からも想定を上回る要望や問い合わせがあったため、冷凍総菜を全国に届けるプランを新たに追加している。

 傘下の居酒屋の存在感も高まっている。新型コロナの感染拡大で外食を控える動きが広がっていることを受け、傘下の居酒屋で一部商品を100円(税別)という通常より安い価格で提供するキャンペーンを期間限定で実施した。第1弾として3月16日から期間限定で「本マグロの天盛り」を100円で提供した。同商品は通常、居酒屋「ミライザカ」で799円(同)、「和民」で790円(同)、「三代目鳥メロ」で699円(同)で提供しており、圧倒的な安さで集客を図った。18日からは第2弾として傘下の居酒屋「炉ばたや 銀政」で、陸前高田産の牡蠣を100円で提供する。100円キャンペーンは好評のため、今後も続けていく予定だという。

ブラック企業のイメージ払拭はまだ時間がかかるか

 こうした新型コロナ絡みの施策は、ワタミのイメージアップにつながる。同社は過労自殺者を出したことなどで“ブラック企業”のレッテルを貼られ、それが原因で客離れが起きた。それにより今も厳しい状況が続いているが、これを機に流れが変わる可能性がある。

 もっとも、ワタミはこれまでもブラック企業のイメージ払拭策をさまざまに講じてきた。ブラック企業のイメージが強い“ワタミ”の名を冠した「和民」を、「三代目鳥メロ」や「ミライザカ」に転換したことがそのひとつだろう。この“ワタミ隠し”により、客足は回復するようになった。ただ、これは企業体質が変わったことを意味するものではないので、根本的な問題解決にはならない。そのため、依然としてイメージは“ブラック企業”のままだ。

「ホワイト企業大賞」を受賞することでブラック企業のイメージ払拭も図っている。ホワイト企業大賞は、14年に発足したホワイト企業大賞企画委員会が表彰する賞だ。同委員会はホワイト企業を「社員の幸せと働きがい、社会への貢献を大切にしている企業」と定義している。年に1回選定し、表彰するという。1月に開催された第6回「ホワイト企業大賞」の特別賞に、ワタミ傘下の「三代目鳥メロ」が選ばれたのだ。

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