NEW
梅原淳「たかが鉄道、されど鉄道」

鉄道の車輪、なぜ外側は内側より少し小さい?レールに触れる部分の幅はたった65mm?

文=梅原淳/鉄道ジャーナリスト
【この記事のキーワード】

, ,

鉄道の車輪、なぜ外側は内側より少し小さい?レールに触れる部分の幅はたった65mm?の画像1
「Getty Images」より

 本連載では鉄道について結構重量級の話ばかり取り上げている。しかし、あまりにヘビーすぎると読むのに疲れてしまうかもしれない。ここは箸休めとして気軽に読めるよう、鉄道の雑学のいくつかを紹介しよう。

1.鉄道用と道路交通用とでは信号機のLEDや電球の点灯順序が異なる

 鉄道にはさまざまな種類の信号機がある。そのなかで色灯式信号機といって、LEDだとか電球の色によって信号を表示する仕組みの信号機は、基本的に道路交通用と同じ色でほぼ同じ意味を示す。

 道路交通でいう青色の灯は鉄道では緑色灯といい、前に進んでよいという意味となる。同様に黄色の灯は鉄道では橙黄色灯(とうこうしょくとう)という。道路交通用とやや意味は異なるが大きな違いはない。速度を落として注意して進めという意味だ。赤色の灯は鉄道も赤色灯といい、停止を示す。

 色も意味も似てはいるけれど、点灯順序は違う。道路交通用は青色の灯、黄色の灯、赤色の灯という順序で点灯し、青色の灯へと戻る。いっぽう、鉄道では緑色灯の次は赤色灯となり、ついで橙黄色灯と点灯して再び緑色灯が点灯する仕組みをもつ。

 両者の相違は、信号によって守られるものが存在する場所に由来する。道路交通用は左右からやってきたり、前方にいる自動車や歩行者だ。いっぽう、鉄道の場合はこれから進む先の線路にいる列車となる。

 もっと言うと、道路交通用の信号が防いでいるのは出会い頭の衝突事故で、鉄道は大多数のケースで追突事故、単線区間に限り正面衝突なのだ。追突事故を防止するには前後の列車どうしの間隔を空けなくてはならない。後方からの列車が前方の列車に近づいたときは安全のために後方の列車を停止させる。その後、すぐに緑色灯を点灯させて後方の列車を自由に進ませては危険極まりない。という次第で、赤色灯の次は橙黄色灯を示して、一定の間隔を維持させるように努めるのだ。

2.車輪はレールに対して全面が接していない

 自動車でもオートバイでも自転車でも、タイヤは地面に対して全面が接することが基本である。鉄道車両の車輪も同じように見えるが、実はそうではない。レール上部で車輪に触れる部分の幅は65mmが標準的であるいっぽうで、車輪のなかでレールに触れる部分は多くは円弧を描いている。具体的には車輪の直径はレールの内側が大きく、外側は内側よりも1mm前後とわずかながら小さくなっているのだ。つまり、車輪はレールに対して1点だけで接しているとまではいかないものの、全面がレールに触れてはいない。

 もう少し言うと、車輪に合わせてレール上部もわずかながら円弧を描いている。JRの在来線や私鉄の多くで採用されているレールでは上部の中心から左右15mmの範囲は半径30cm、その外側は半径8cm、新幹線用などのレールでは上部の中心から左右15mmの範囲では半径60cm、その外側は半径5cmだ。

関連記事