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大塚家具に衣替えした新宿東口の旧ヤマダ電機で「半額で120万円の高級ソファ」に悶絶!

文=編集部
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 関東在住の方ならご存じであろう、“新宿大ガード”横の靖国通り沿いに屹立していた「LABI新宿東口館」。そこがいつの間にやら、あの大塚家具の店舗に生まれ変わり、仰々しい「閉店大セール」を敢行している――。

 そんな情報がTwitterなどで出回り、気になっていた人も多いだろう。そこで実際に行ってみた。新宿東口の“でっかいヤマダ電機”だったあのビルは今、どうなっているのか――?

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「LABI新宿東口館」が大塚家具の店舗に生まれ変わり、仰々しい「閉店大セール」を敢行している。期間限定の特別催事店なので、気になる方はお早めに?(画像は、大塚家具公式サイトより)

大塚父娘の骨肉の争いのあと、ヤマダ電機傘下に入った大塚家具、そして新宿東口のヤマダ電機は閉店

 大塚家具といえば2015年、創業者の大塚勝久氏とその愛娘である大塚久美子氏が骨肉の“父娘バトル”を繰り広げ話題となったのは周知の通り。その後、久美子氏が社長に就いたものの業績はどんどん悪化し、2019年12月、ついに家電量販店大手・ヤマダ電機を展開するヤマダホールディングス傘下となったうえ、そこから1年後のこの12月、ついに久美子氏が社長を退任。ゆえに大塚家具の現在の代表取締役会長兼社長は、ヤマダホールディングスを率いる三嶋恒夫氏である。

 そして「LABI新宿東口館」といえば、新宿東口を出て徒歩5分の靖国通り沿い、西側にはJRの大ガード、靖国通りの向こうには歌舞伎町のネオンが広がる一等地(住所でいうと「新宿区新宿3-23-7」)にそびえるヤマダ電機の巨大旗艦店であった。2010年にオープンしたものの、翌2011年には新宿駅の反対側、西口にも「LABI新宿西口館」という巨大店舗がオープンし、「ぶっちゃけ、同じヤマダ電機で客の取り合いにならないのか……?」と客のほうも心配していたほどであったが……。

 新宿駅の「ヤマダ電機・東西2店舗」体制からおよそ10年、LABI新宿東口館は、大塚久美子・前社長が退任する直前の2020年10月4日に閉店、10月9日には「IDC OTSUKA 新宿東口特別催事店」として生まれ変わり、まさに家電量販店のチラシばりの派手な広告を店舗内外に打ち、「閉店大セール」を開催中……というわけなのである。

果たして「IDC OTSUKA 新宿東口特別催事店」は実際のところどうなのか、潜入開始!

 果たして、コロナ禍の真っ最中でもあり、小売業はいろいろと大変なこの時期に、この「元ヤマダ電機の大塚家具」はどうなっているのか? 訪れたのは11月中旬、まさに大塚久美子氏が退任する直前の時期に、家具を買いたいと語る友人と2人、この「IDC OTSUKA 新宿東口特別催事店」を訪れたのであった――。

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家電量販店のチラシばりの派手な広告が店舗内外に打たれていた。

 今回は、駅から最も近い裏口にあたる部分から入店。すると、さっそくこんなものが目に飛び込んでくることとなった。

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怒涛の74%オフ? しかしそれでも39万8000円……。さすが大塚家具。

 なんともシャレオツなソファーが、怒涛の74%オフ? しかしそれでも39万8000円……。ざっくり計算すれば、正規価格は160万円近いという、まさに上級国民ご用達のシロモノである。思わず苦笑する友人の横で、筆者も早々に場違い感を抱いてしまう。「これはちょっと、我々が買えるものはこの店にはないかもしれない……」という不安を抱きながら、反対側の靖国通り側の正面玄関から入店し直すことにした。

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西武新宿駅側から見たビルの外観。
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ビルの袖看板は、2020年11月時点ではいまだにLABIのままだった。

 靖国通り側に回る途中、西武新宿駅側からビルの外観を撮影。ビル側面にある巨大なビジョン「ユニカビジョン」はそのままだが、どうしても「ヤマダ電機」時代の印象が強いため、大塚家具となったことに違和感を抱いてしまう。また、取材に訪れた時点では、ビルの袖看板はいまだにLABIのままとなっていた。

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潜入ルポ開始!
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エレスカレーター付近にあるフロアマップを確認。まずは1~2階の「スタンダード」から。

1〜2階のスタンダード売り場は、庶民でも手が出せるお手頃価格の家具がてんこ盛り

 その後、靖国通り側の正面入口から無事入店。入って直進したところにあるエレスカレーター付近にフロアマップが掲示されていたため、それを確認。どうやら全7フロアのうち、1~2階が「スタンダード」、3階は「ハイグレード」、5~6階は「プレミアム」と、リビング・ダイニング家具売り場がグレードで区分けされており、さらに4階には寝具、7階が中古品売り場、という構成となっていた。

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「スタンダード」のフロアには、かなりカジュアルな値段の商品が並んでいる。
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お手頃な価格帯の商品もちらほら。
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ニトリやIKEAとも張り合えそうなプライス。

 1~2階はスタンダードということもあってか、かなりカジュアルな値段の商品が並び、割引率も50%を超えるものが多々あった。大塚家具の創業者・大塚勝久氏はたびたび「ニトリIKEAは、大塚家具の競合相手ではない」という主張をされていたと記憶しているが、こには、両者と十分張り合えそうなお手頃価格の家具もちらほら。

 そのせいかかなりの賑わいを見せており、特に若いカップルがイチャつく姿も多く見られた。2人で新居に住むのだろうか、それともデートついでの冷やかしなのか……。男2人で来ている我々はどう思われているのだろう、などと考えながら周りを見渡すと、店員のみなさんも商品説明などで忙しそうにしており、まさに「大規模セール中」にふさわしい活況となっていた。

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3階「ハイグレード」フロアの様子。
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1~2階の「スタンダード」フロアに比べると、少々お高めの価格帯。

 3階はハイグレードというだけあって、1~2階に比べるとかなり商品の平均価格が上がっている印象。このあたりから人がかなり少なくなり、店員が佇んだままになっている様子が見受けられるようになった。

4階の寝具売り場で、半額以下で20万円のベッドを見事購入した!

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お目当ての寝具フロアに潜入。
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数十万円単位のベッドが多く並び、高級家具店であることを否が応でも認識させられる。
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羽毛布団は60~70%値引き後でこの価格。やはり高価格帯の商品が多い。

 4階はベッドや布団など、寝具を中心にしたフロア。安いマットレスでは5万円を切るようなものもあったが、写真のように数十万円単位のベッドが多く並び、高級家具店であることを否が応でも認識させられる。さらに、羽毛布団のコーナーでは、7万円から16万円の品がズラリと並ぶ様は圧巻。やはり高価格帯の商品が多いからか、客の姿もちらほら、対応する店員さん方もみな、どこかヒマそうであった……。

 しかし、同行した友人の目的はもともとベッド購入であり、そんな店員さんに積極的にアプローチ。対する店員さんも、ベッドの高さや幅についての説明を丁寧に行い、質問にもハキハキと答えてくださり、「さすが高級家具店の店員だ」と感じ入る次第。そもそも店員さんを見かけないこと多く、「基本自分で調べろや」的な雰囲気のIKEAなどとはやはり違うのである。

 そんなナイスな対応に気をよくしたのか、見事友人は約20万円のベッド購入を決意! その手続きのためカウンターへと去っていったため、これより上のフロアは、筆者ひとりで見て回ることとしたのであった。

50%オフでも120万円という高級ソファーに、身分の違いを思い知る5〜6階

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5~6階「プレミアムフロア」の様子。人の姿もまばらだ。
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50%オフでも120万円以上!
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およそ庶民の近づく場所ではなさそうだと悟る。

 5~6階は、外国から輸入したブランド家具がそろうプレミアムフロア。その名に恥じず、50%オフでも120万円以上!のソファーや、なんだかハイセンスなデザインのソファーが64%引きで50万円オーバーと、およそ庶民の近づく場所ではないというのが正直なところだ。もはや美術館気分でさまざまな家具を物見遊山していたが、その姿が不審だったのか、途中から店員さんが射るような視線をこちらに投げかけてきているような……。いたたまれなくなり、足早に7階へと移動することにした。

高級リトグラフが驚異の90%引きで販売されている7階に潜入!

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7階は「リワースフロア」。いわゆる中古品が並んでいる。
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高級リトグラフが全品90%オフという驚異の割引率で販売されてはいるが…。

 最後の7階は、リワース家具、いわゆる中古品が並ぶフロアである。3万円均一のオットマンスツールなども販売されていたが、基本的には10万単位の価格帯となる商品が多く、中古品でもかなりお高めな印象。個人的には、中古品にその値段を出すのであれば、グレードを落としても新品のほうがいいようにも思えてしまうのだが……家具の世界はそう単純な世界ではないのだろうか。

 また、高級リトグラフが全品90%オフという驚異の割引率で販売されていたが、庶民生まれの筆者の自宅にリトグラフを飾ってサマになるようなスペースは存在しないため、こちらも美術館気分でひと回りするだけにとどめておいた……。

 全フロアを見て回った感想としては、筆者のような庶民では、1~2階のスタンダードフロアで販売されているもの以外は、セールとはいえちょっと値段的に厳しい……というのが正直なところ。もちろん、なかには値引き率が80%以上となるような商品も多数揃えられているため、お得感はかなりあるだろう。同行した友人は、半額以下でベッドが買えたことに、ことのほかご満悦であったことも重ねて報告しておきたい。

 このセールがいつまで続行されるのかはさだかではないが、あの「新宿東口のヤマダ電機」の様変わりぶりを確認し、往時を偲ぶためにだけでも、一度訪れてみるのもよいのではなかろうか。

(文=編集部)

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12月27日(日)まで開催されていた「展示品・在庫品 大処分市 第4弾」の広告。同店舗は元旦は休業、2021年初売りは1月2日より、とのこと。(画像は大塚家具公式サイトより)

BusinessJournal編集部

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