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村井英一「お金の健康法」

久方ぶりに実家に帰省、親の身体的衰え&認知機能の衰えを把握するためのチェック項目

文=村井英一/家計の診断・相談室、ファイナンシャル・プランナー
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「Getty images」より

「新型コロナウイルスの感染防止のために、1年以上も実家に帰っていない」という人は少なくないでしょう。高齢の親の場合、1年で想像以上に老化が進んでいる場合があります。電話やインターネットのテレビ電話では、「元気でやっている」と言っていても、介護が必要な状態になっていることもあります。久しぶりに実家に帰ったら、生活の様子を観察してみましょう。

 身体的な衰えの場合は比較的わかりやすいのですが、歩き方をよく観察しましょう。高齢者は、少しの段差でも転んでしまうことがあります。家の中での転倒事故は少なくなく、注意が必要です。

 認知機能の衰えはすぐにはわかりづらい面があり、工夫が必要です。認知症になったのかどうかを気にする人が多いのですが、他の病気のように病気であるのか否かではっきりと区別されるものではありません。認知機能の衰えは徐々に進んでいきますので、様子がおかしいことに早めに気付くことが大切です。

 実家に帰ったら、冷蔵庫に同じものがたくさん入っていないか(買ってあることを忘れて再び買ってしまう)、ゴミが溜まっていないか(曜日の認識ができなくなると、ゴミ出しができなくなる)、などをチェックするとよいでしょう。また、認知症の兆候はもの忘れだけではありません。気分の変化が激しい、自己中心的、無気力なども認知症の症状である可能性があります。

 介護が必要になっても、実家が遠いとたびたびは介護に行くことはできません。なかには仕事を辞めて実家に戻る人もいるのですが、介護が終わった後のことを考えるとお勧めできません。自分の仕事や生活を犠牲にして介護をしていると、その無念さがイライラとなって出てしまうことがあります。身内が直接介護をしていても、親子ともに不幸な状態になりかねません。できれば介護にはいろいろな仕組みを活用し、親子の関係は良好に維持したいものです。

介護休業制度

 介護のために活用する仕組みのメインは、公的な制度である介護保険です。介護保険では、介護が必要な人が、原則1割の自己負担で介護サービスを受けられます(所得によって2割、3割の場合もあります)。利用できるサービスの限度は、介護が必要な程度によって異なりますので、まずは「要介護認定」を受けます。申請は市役所でもできますが、「地域包括支援センター」に行くとよいでしょう。

「地域包括支援センター」は介護に関する無料相談所ともいうべき所で、介護が必要になる前から利用できます。場合によっては、自宅まで様子を見に行ってくれることもありますので、遠隔地に住む子にとっては心強い存在です。

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